「W杯アジア最終予選、オマーン1-2日本」(14日、マスカット)
若きサムライが、ついにネットを揺らした。前半20分、日本のDF長友が左サイドを突破し、中央へクロス。相手DFに軽く当たったボールは、MF清武弘嗣(ニュルンベルク)の足元にこぼれてきた。「(長友)佑都くんが絶対上げてくれると信じていたので、詰めるだけだった」。あとは目の前のゴールに押し込むだけ。代表12試合目にして、ついに待望の初ゴールが生まれた。
ただの代役にはとどまらなかった。香川が左膝の負傷のため欠場。2列目の右MFで先発した。「なかなかゴールに結びつかずに難しい展開だった」と苦しみながらも、前半17分、MF岡崎の頭に合わせる絶妙なクロスを供給。不在の穴を感じさせない活躍ぶりだった。
限られた出場機会でも、出れば結果を残す。ザッケローニ監督からの信頼も増してきた。本田、香川、岡崎といったタレント軍団とともに名前を出されて称賛されたこともある。だが、ゴールを決めていなかったのも事実。「早く初ゴールを決めたい」。自然と得点への渇望を強く口にするようになっていた。
12日に23歳の誕生日を迎えたばかりの若武者は、フラストレーションを解消しても、ストイックに言い放った。「もう1、2点決めるチャンスがあった。そこが課題」。ザックジャパンの若き血が、チームをいっそう勢いづかせる。