全日本・大仁田&渕、凶器使ってアジアタッグV1「プロレスは何でもありじゃ」
「プロレス・全日本」(2日、東京・後楽園ホール)
全日本の2017年初興行が1301人の観衆を集めて行われ、アジアタッグ選手権は王者の大仁田厚、渕正信組が秋山準、井上雅央組の挑戦を退けて初防衛に成功した。
ハードコアルール採用を要求し続けたものの、同王座を管理するPWF会長のドリー・ファンク・ジュニア会長に拒否された大仁田は、秋山は「お守りとしてなら」との条件付きで凶器持ち込みを認めたことで、この日は堂々と有刺鉄線バット、ギターなど持参。さらに、リング上には有刺鉄線ボードを設置した。秋山もこれに対抗して、もう1人のタッグパートナーである“悪魔仮面”ケンドー・カシンを帯同して入場。だが、カシンは試合前に大仁田の取り巻きが持っていたのぼり旗を破壊し、王座の認定証を破り捨てるなどの暴挙に出たものの、大仁田のセコンドのパンディータに暴行を加えた以外は試合に絡むことはなかった。
大仁田は、昨年の暮れに腰を骨折する重傷を負い、試合前に痛み止めの注射を3本打っての出場だったが、奇襲を仕掛けると、場外で井上を捕らえて猛攻。さらには、リング上で机上脳天くい打ちを放つなど、事実上のハードコア戦の様相を呈した。
秋山も、大仁田を有刺鉄線ボードにぶち当て、骨折している腰に容赦なくヒザ蹴りをたたき込むなど反撃するが、毒霧を噴射されてもん絶。最後は、大仁田が秋山と場外戦を繰り広げている間に、渕が首固め連発から逆さ押さえ込みにつないで井上を料理した。
“王道”マットで“邪道”を貫いてV1に成功した大仁田はリング上でしてやったりの表情。リング上でマイクを握ると、「秋山さんよ、井上さんよ、プロレスは何でもありじゃ」と言い放った。
インタビューでも大仁田は渕と喜びを分かち合いながら、「つくづく思いますね、プロレスは何でもありっていう。5カウント以内なら反則も自由ですからね。全日本にはザ・シークも、タイガー・ジェット・シンも、(アブドーラ・ザ・)ブッチャーも、あらゆる悪役のレスラーがいたんですけど、その一番末席に座らせていただければありがたい」と持論を展開。渕も「つくづく思ったよ。彼のスタイルは否定できない。タイトルを獲ったときも、今回の試合も、彼のヘルプがなかったら負けてたしね」と賛同し、「今日は秋山が怖かった。思いっきり殴られて、首と腰が痛いですよ。でも、防衛できてよかったです」と、安どの表情を浮かべた。
さらに、大仁田は「エニウェア(会場内のどこでもフォールが認められる)を採用しなかった秋山社長に問題があると思うけど、オレは今度(の防衛戦)はエニウェアを取り入れないと出場する気持ちはない。ファンから『リングで決着しろ』って声が出たから、エニウェアだったら何も文句はないだろうって」と、ボイコットをちらつかせて、次回防衛戦でのエニウェア・ストリートファイト・バンクハウスルール採用を訴えた。





