大沢宏晋ベガス世界戦へ「1ラウンドからフルファイトする」

 「ボクシング・WBO世界フェザー級タイトルマッチ」(11月5日、ラスベガス)

 WBO世界フェザー級2位・大沢宏晋(31)=ロマンサジャパン=は27日、大阪府松原市内で練習を公開した。11月5日(日本時間同6日)、米国ラスベガス・トーマス&マック・センターで同級王者・オスカル・バルデス(25)=メキシコ=を相手に世界タイトルに初挑戦する。バルデスは20勝(18KO)で初防衛戦。大沢は30勝(19KO)3敗4分け。

 30日には関西国際空港発の航空機でいよいよ、決戦の地・ベガスに乗り込む。「テレビで見ている舞台ですけど、僕から言わせたら同じ気持ち。胸が躍るのはある。アメリカのボクシングファンがどう見るのか楽しみ。悔いを残してだけは終われない。反省だけは残さない」と、全力を出し尽くす気持ちだ。

 作戦は電撃速攻。「考えている暇はない。1ラウンドからフルファイトする。ハイペースで行く」とキッパリ。150ラウンド超のスパーリングは通常の半分、30秒のインターバルで徹底的にスタミナを強化。1分間の心拍数は5年前の140から198まで跳ね上がった。この日、同僚の10年西日本フェザー級新人王・岡島広和、昨年スーパーバンタム級同新人王・金井隆明を相手に3ラウンドでスパーを締めた。

 かつてメキシコのスーパースター、マルケス兄弟(兄・フアン・マヌエル=世界4階級制覇、弟・ラファエル=同2階級制覇)のトレーナーを務めた中島利光マネジャー(45)も番狂わせの予感を抱く。「練習はできなくても試合でできるタイプ。圧倒的な不利の中、何か起こすぞ、という気持ちが膨らんで仕方が無い」と、心を躍らせた。

 メインでは復帰戦を行う世界6階級王者マニー・パッキャオ、セミファイナルに同5階級王者のノニト・ドネア(ともにフィリピン)が世界戦を行う世界が注目する舞台。「自分が小さい時からWOWOWで見てた舞台。18歳からボクシングを始めて、でかい舞台ですると言い続けた。今、それが現実になる。自分の国、日本を背負って戦う」と意気込んだ。

 04年にデビューし、11年に東洋太平洋同級王座を獲得。しかし12年、JBC(日本ボクシングコミッション)に報告しないまま、韓国で未公認のタイトル戦を行ったことで、1年間のライセンス停止処分を科された。

 13年に再起後は7戦7勝(7KO)で世界ランクを上げた。“介護士ボクサー”で知られ、養護施設で働きながら選手活動と両立。ファイトマネーはデビュー戦以来、身体知的障害者団体等に寄付してきた。この日も仕事は通常通り、朝9時から午後5時まで行い、それからジムワーク。ベガスだからと言って特別なことはしなかった。「大半が負けるやろ、と思っている。それはそれでいい。結果がすべて。勝てば僕が強かった、負ければ弱かった。それだけです」。世界を驚かす準備はできた。

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