13人きょうだいの三女・沢井涼がKOデビュー

 「ボクシング女子・4回戦」(9日、堺市産業振興センター)

 大家族の孝行娘がKOデビューを飾った。アトム級4回戦で、7男6女13人きょうだいの三女、沢井涼(24)=井岡弘樹=がプロデビュー戦に臨み、パーウィッティダー・サックナロン(タイ)に2回TKO勝ち。初回からアグレッシブな攻めで相手にダメージを与え、レフェリーストップに持ち込んだ。

 32歳から12歳までのきょうだい全員と両親が見守る中での勝利に「うれしいです」と笑顔を咲かせ、「お客さんを楽しませられるボクサーになりたい」と夢を語った。

 きょうだいは子供の頃から格闘技に親しんでおり、沢井も空手やテコンドーなどの有段者。右構えから強い左ジャブを的確に当て、相手をコーナーに追い込んでからは一気にラッシュをかける勝負勘も。自身の持ち味は「前に出るガッツ」。大家族の中で培った“生存競争”を武器にするど根性娘だ。

 父の淳一郎さん(52)は大阪・梅田で居酒屋「1969」を経営し、沢井もほかのきょうだいとともに店を支えている。淳一郎さんは、自身が選んだ「タイガーマスク」のテーマ曲で入場するまな娘に試合前から涙腺が緩んだという。「小さい頃からの思い出が一気によみがえってきて。高校3年で家出した時のこととか、つらかった時のこととか」と感慨にふけった。

 所属先の井岡弘樹会長は「果敢に打ち合いにいったのがよかった。相手はタイで3勝(3敗)と経験がありしぶとかったが、よく倒した。気持ちが強い」と合格点。技術的にも「空手をやっていたので距離感がいい。距離感は教えられないから」と天性の資質も評価していた。

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