井上弟・拓真、世界前哨戦クリア 初回にダウン喫し「目が覚めた」

5回、フローイラン・サルダールの顔面に左フックをたたき込む井上拓真(右)=神奈川県座間市のスカイアリーナ座間
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 「ボクシング・10回戦」(4日、スカイアリーナ座間)

 WBC世界スーパーフライ級王者・井上尚弥の弟でWBC世界スーパーフライ級4位・拓真(20)=大橋=がWBC世界フライ級15位フローイラン・サルダール(フィリピン)との53キロ契約10回戦に臨み、判定勝ち。デビュー8戦8勝(2KO)を飾った。

 危なかった。1回、右ストレートを顔面に直撃され、尻もちをつきダウン。ダメージを残しながら、この回をしのいだ。2回もペースをつかめなかった。

 中盤、ようやく拓真の連打がヒット。徐々に動きが鈍くなる相手にコンビネーションで圧倒する。8回にはロープに詰め、フェイントをかけながらガードの空いた顔面に右ストレートを打ち込み、相手は前のめりに倒れた。9回にも左のロングフックを強打し、相手を吹っ飛ばしてダウンを奪った。

 倒しきれなかったが、判定は96-91、97-90、97-90と大差が付き、文句なしの逆転勝利となった。

 リング上では「初めての地元で最初に変なとこ見せて申し訳ありませんでした。ダウンをもらって目が覚めた。冷静になって順調に組み立てることができた。倒せたら良かったけど、1ラウンド以外は圧倒できた」と、振り返った。

 6月に東洋太平洋王座を返上し、世界前哨戦を見事に突破。早ければ年内にも世界初挑戦のプランで、兄弟世界王者を目指す。「1ラウンド(のダウン)をこの後、会長と父がどう見るか、心配です。(僕は)世界へできれば行きたい。決まったら一発で取りたい」と力を込めた。

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