星野が伊東下してデスマッチ初戴冠!傷口に塩、頬に注射器の地獄絵図

 「プロレス・大日本」(24日、東京・両国国技館)

 昨年に続く大日本2度目の両国大会。大舞台で“苦労人”星野勘九郎が“絶対王者”伊東竜二を破り、BJW認定デスマッチヘビー級王座を初めて奪取した。

 大日本デスマッチ名物の蛍光灯などが禁止されている両国。採用された試合形式は伊東の指令によって星野が選択した「スキャフォールドGショックデスマッチ」で、金属製の足場を架けた2台の脚立をリング上に設置し、コンクリートブロックなどの硬い凶器を使用する。伊東は竹刀、サボテン、星野は有刺鉄線パイプイスなどのマイ凶器でやり合うも、地力に勝る伊東が主導権を握った。

 伊東は傷だらけの星野に大量の塩をぶちまけ、コンクリートブロックを体に落とすなど、情け容赦ない攻撃を展開。さらに、伊東は注射器を持ち出したが、星野がそれを奪って伊東の頬に突き刺すなど、試合は地獄絵図の様相を呈した。

 凶器だけでなく、伊東が高さ3メートルはあると思われる客席の入り口の上から机の上に寝かせた星野目がけてダイビングボディープレス、高さ2メートル以上ある足場の上からフランケンシュタイナーを放つなど、捨て身の大技も続出。だが、最後は猛攻を耐え抜いた星野が足場の上で勘九郎カッターで伊東をたたき落としてチャンスをつかみ、そこからダイビングセントーンを放って伊東を圧殺した。

 試合後、星野はリング上で涙を流しながら「みなさまのおかげで、41歳にして初めてデスマッチヘビー級チャンピオンになりました」と喜び爆発。そして、長男の遥斗くんがリングに上がると、「自分の苦しい時の支えになってくれました。遥斗、お父ちゃんやったぞー。お父ちゃんの元に生まれてきて、本当にありがとう!」と絶叫して、抱きかかえた。

 インタビューでは死闘を振り返り、「最後、無我夢中で飛んだんですけど、あきらめないでよかった。本当に伊東竜二、強かったです。自分を支えてきてくれたセントーンを信じてやってきてよかったです。あれが自分を救ってくれました」と感無量。だが、遥斗くんがリングに上がってきたことは想定外で、「勝って呼び込みたかったんですよ。そしたら、いるんですよね。普通は『遥斗ー、来いよ、お父さんの胸に』と言って来るもんじゃないですか。それが悔しい」と不満げな表情を浮かべながら、「また防衛を重ねて、今度は感動的に息子を呼びたいと思をいます」と“リベンジ”を誓った。

 一方の6度目の防衛に失敗した伊東はサバサバ。「単純に星野の気持ちが強かったと思う。今日の星野はあきらめない気持ちを見せてくれたと思います。7回目のベルトを巻くチャンスを手にできたと思って、またゼロから始めて、またトップに立ちたいと思います」と星野をたたえるとともに、王座奪回を誓った。

 近年の大日本はストロングの台頭とデスマッチの停滞がささやかれ、伊東は自ら今大会のメーンイベントをデスマッチヘビー級戦かBJW認定世界ストロングヘビー級戦かをファン投票で決めることを提案。その結果でメインイベントを勝ち取って実現した一戦は自ら指名した挑戦者の星野に敗れたものの、会場を大いに盛り上げた。それでも、「セミ(世界ストロングヘビー級戦)はセミで、すばらしい試合だったと思いますし、どっちがすごいかはお客さんが決めること。オレの方がすごいんだ、と言う気持ちはないです」と冷静に振り返った。

 また、BJW認定世界ストロングヘビー級選手権は神谷英慶が王者の岡林裕二を下し、同王座を初奪取。BJW認定タッグ選手権試合30分1本勝負タッグ選手権は王者の石川修司、佐藤耕平組が曙、浜亮太組を下して初防衛に成功。アジアタッグ選手権は青木篤志、佐藤光留組が宮本裕向、木高イサミ組から王座を奪取した。

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