天龍「腹いっぱい」悔いなし涙なし!

 “ミスタープロレス”天龍源一郎(65)が9日、都内で会見し、年内で現役を引退すると発表した。76年に大相撲から全日本入りし、米国での修行時にプロレスラーとしてデビュー戦を行った11月13日前後にラストマッチを行う予定で、対戦相手、会場は未定。昨年末に引退を決意した理由として、長年支えられた妻・まき代(58)さんの体調不良があったと明かし、「今度はオレが支える番」と話した。引退後について明言しなかったが、プロレス界からは距離を置くとした。

 涙はなかった。大相撲時代を含め、実に51年間の格闘技生活に幕を下ろす天龍は「肩の荷が下りた」と、穏やかな笑みを浮かべた。

 昨年、長年支えてくれたまき代夫人が体調を崩したことに加え、プロレス人気復活を感じたことで決意を固めた。

 「レスラー1本でできるように支えてくれた家内が病気になって。プロレス人気が盛り返したときだったんで、身を引いてオレが支える番だなって思った。潮時かなと」

 会見に同席した長女の天龍プロジェクト・嶋田紋奈代表(31)は「昨年12月第2週に引退の意思を聞いた。話し合いを重ね、正式に決まった」と明かした。天龍が感謝の思いを抱く師匠・ジャイアント馬場さんの十七回忌追善大会(1月31日)に参戦が決まったのは、嶋田代表が全日本側に「最後に出させていただけませんか」と申し出たものだった。「あとで知った」という天龍は「思い出に残った」と目を細めた。

 76年のプロレス入り後、長年トップに君臨したミスタープロレスは「馬場さんと(アントニオ)猪木さんからフォールを取ったことは誇り」と日本人唯一の“BI超え”を勲章と受け止め、最大のライバルに故ジャンボ鶴田さんを挙げた。

 「振り返れば腹いっぱいの楽しいプロレス人生。自分自身がこんなにプロレスにはまるとは夢にも思わなかった。転向して良かった」。次戦となる21日の道頓堀プロレス大阪大会から9カ月間、恩返しの思いでリングに立つ。

 65歳とは思えない力強さで「はじけてやる。ありったけのやれることをやってやろうと思う」と宣言した。最後の日まで、迫力満点の戦いでファンの心を揺さぶるはずだ。

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