山中、虎に習う!V7へ先制攻撃宣言

 「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(22日、代々木第二体育館)

 予備検診が19日、都内のホテルで行われ、両選手とも異常なく、身長、リーチともに王者・山中慎介(帝拳)が挑戦者・スリヤン・ソールンビサイ(タイ)10センチ以上上回った。阪神ファンの山中は、プロ野球CSファイナルS第4戦で、一回に4点を奪い4連勝で日本シリーズに進出した快挙にあやかり、先手必勝を宣言した。

 7度目の防衛戦という大仕事を目前に控えているが、猛虎の大一番は見逃さなかった。初回に4点、二回に2点、猛打で巨人を圧倒した展開を思い出せば笑みが漏れる。

 「テレビで見てましたよ。初回の4点で試合は決まったね。あらためて、初回は大事だと思い知りました」

 滋賀県湖南市に生まれ育ち、小中学校まで野球少年で大の阪神ファン。今季は6月22日、甲子園で行われた阪神-楽天戦で始球式を務めた。背番号「1」のユニホーム姿、右で投げ込み「最高の経験をさせてもらいました」と感激していた。

 阪神からもらったエネルギーをリングでぶつける。初めて顔を合わせたスリヤンについて「ビデオで何度も見ている。印象は変わらない。顔が大きいかな」と笑わせた。

 身長で10センチ、リーチは13センチ上回り「相手は向かって来ないと勝てないでしょう」と余裕の表情。具志堅用高の持つ6連続KO防衛の日本記録がかかるが、スリヤンはダウンはあるが一度もKO負けのない強敵。帝拳プロモーションの浜田剛史代表は「打たれ強さと、パンチを殺すうまさがある」と分析する。

 KO負けのない男をKOするのも「神の左」には大きなテーマ。巨人の立場で阪神ばりの先制攻撃-。挑戦者を圧倒する。

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