亀田世界戦放送TBSに抗議殺到5万件

 “疑惑の判定”で列島騒然‐。ニューヒーローが誕生したとは思えない“亀田バッシング”に拍車がかかった。フアン・ランダエタ(ベネズエラ)に判定勝ちしてWBA世界ライトフライ級王座を獲得した亀田興毅(19)=協栄=の世界戦を中継したTBSに対し、前夜の試合から3日夜までに、全国の視聴者から合計5万件以上の抗議の電話やメールが殺到したことが分かった。同局が明かしたもので、半数以上は不可解な判定の結果に対する抗議だったという。世間の反応は予想以上に厳しく、今後も興毅への逆風が強まりそうだ。

 亀田人気は社会現象となっているが、不可解な判定は本人にとって、むしろマイナスに作用した。TBSには、番組中から終了後にかけて、3万3500件以上の電話が殺到、電話がつながらない状態がしばらく続いた。電話交換業務終了後から3日午後にかけても約1万6800件の電話があり、メールも4600件以上寄せられた。

 TBSによると、電話の内容は「判定がおかしい」など判定結果をめぐる抗議や、番組開始から約1時間半後に試合が始まったことに対し、「いつ始まるのか」といった苦情だったという。

 国内の統括団体である日本ボクシングコミッション(JBC)にもこの日朝から判定に対する抗議の電話が鳴りやまなかった。内容は「判定はおかしい」「ジャッジに何か渡しているのではないか」と強い調子のものがほとんどだったという。応対したJBC職員は「試合の裁定に関してまったく関与していないので…」と困惑顔だった。

 専門家からは疑問の声が相次いだ。元世界フライ級王者の花形進氏は「負けたかなと思った」。元世界スーパーライト級王者の浜田剛史氏は「右ジャブを打たないスタイルでは今後壁にぶつかるのでは。動く相手にどう対処するかも見てみたい」と指摘。

 一夜明けて再び強気な言動を貫く亀田に対し、漫画家やくみつるさんは「ホームアドバンテージで勝ったのだから、試合後は少し口をつぐんでいろと言いたい」と苦言を呈したが、プロデビュー以来、テレビ局との「タイアップ」で演出されてきたヒーローが急に方向転換することは難しい。今後も亀田の競技生活はビジネスとしての側面から離れられそうにない。今回の“判定事件”で急増したアンチ亀田派の反発を宿命として背負っていくことになりそうだ。

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