演歌の生き残りと桂米朝さんの言葉

 「すきま風」などのヒットで知られる歌手で俳優の杉良太郎と自民党の二階俊博総務会長らが、超党派の国会議員約40人で「演歌・歌謡曲を応援する国会議員の会」を設立することが発表された。演歌や歌謡曲が日本で誕生し、独自に発展した文化の一つとして位置付け、振興を目指す議員たちが“後ろ盾”となるもの。その一方で、そもそも演歌は「日本の伝統文化なのか」という声もネット掲示板などに書き込まれた。ハイヒール・リンゴは「演歌は一つのジャンルとして残る」とし、日本人としての原点回帰を語った。

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 演歌を守るために超党派で議員の会ができるみたいですが、私は大丈夫だと思います。演歌は生き残りますよ。超党派もいいけど、演歌そのものの曲だったり歌手だったりを盛り上げるような方向で考えて欲しいなと思います。

 個人的な話になりますが、昔、うちの母親に言われた通りのことになっているんですよ。「肘ついたらあかんよ。ひじの後ろ側が黒くなるから」って。当時は行儀的な意味で言ってるんだと思ったけど、ふと気づいたら若い女芸人の子たちの肘に比べて、黒くなってるんです。同じように「最近の若い子の顔がわからへん」って言うてたときには「なんで?みんな違う顔してるやん」と思ってた。でもいまの私は、AKBの子たちの顔がみんな同じに見える。そんな母は演歌も好んで聞いていました。

 京都の老舗の和菓子屋さんも「日本人は最後はあんこに帰る」と言って、周りが生クリームやアイスクリームを扱うようになるなか、頑なに和菓子を守っていた。その結果、業績が上がってます。ある程度の年齢になると、原点回帰していくんですよ。

 私も最近、演歌がいいなあと思ってきました。天童よしみさんの歌なんかが胸に響いてくる。若いころはよくわからなかったんですけどねえ。年重ねると演歌っていいなって思う。議員さんと協力するのもいいけどより、いい演歌を残してほしい。

昔、桂米朝師匠が「落語は人口は減るかもしれへんけど、お笑いのジャンルとして残るし、無くなることはない」とおっしゃいたのが印象的。それと一緒で演歌も歌のジャンルとしてあると思う。落語も古典だけじゃなく、創作落語とか盛り上がってるし、落語協会の人も増えてますしね。

 ネットニュースで「演歌って日本の伝統文化だっけ」っていう疑問を持つ人がいるということが取り上げられていました。こうした最近のネットのニュースって、本題と違うところにひっかかっていくんですよね。例えば「疑問を持つ人がいる」ということ一つにしても、分母がわからない。出元はちゃんと取材してるのかな?と思うものも多い。でもまあ今回はそれも「演歌」に興味を持つ人がいて、取り上げられているとポジティブに考えた方がいいですね。

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