残るもの、なくなるもの…時代の変化

 なくなるもの、なくならないもの。再びブームが到来するもの…。ある業種が衰退することで街角の風景が変わり、また別の業種は進化を遂げる。ハイヒール・リンゴが実体験をもとに、時代の移り変わりと、その変化も語った。

  ◇  ◇

 実は私、昨年末に引っ越したんです。そのとき驚いたのが引っ越し屋さん。ものすごく進化してるんですよ。洋服もタンスからそのままハンガーにかけたまま特製の運搬段ボールに入れられる。タンスの引き出しもそのまま出して、新居で箱の順番で詰めていけば、元通りになる。靴だってそう。食器も割れないようなコンテナになってる。

 私はお任せパックだったんですけど、荷物を詰めた段ボールも、業者に開封してもらいたいもの、自分の手で開封したいものが一目見たらわかるように、ガムテープの色で分けていたりするんですよ。引っ越しといえば、小さなころに親戚や親の会社の同僚に来てもらって手伝ってもらっていたイメージが強いので、あまりの便利さに驚きました。でも私自身は、普段からきちんと家を片付けてるんで、逆に業者泣かせだったみたいです。「片付け上手は引っ越し屋泣かせ」って。一見、物が少なそうに見えて、どれだけ箱に詰めても、荷物を運び出しても、次々物が出てくるって(笑)。今回、引っ越し屋さんの進化を見て、この業種は絶対になくならないと思いましたね。

 その一方で、街を歩くと昔あった業種の店が、次々無くなったりしてるじゃないですか。例えば、写真屋さん。昔はネガを現像してもらい、プリントしてもらってました。街角には「1時間で現像!」なんてお店もいっぱいありました。でもいまじゃデジカメで撮って、データで保存。わざわざプリントして持ってる若い子なんて少ないでしょ。街角の風景も変わってきたなと思いますね。

 あと年を経ると良さがわかる…みたいなものもありますね。漫才、落語といったエンターテイメントもなくならないと思います。漫才はともかく、上方落語は戦後四天王(六代目笑福亭松鶴、三代目桂米朝、三代目桂春團治、三代目桂文枝)の方々が復興して、いまの隆盛につながっている。私もまだ落語は詳しくありませんが、個人的に米朝さんは本当に大好きでした。かわいがっていただいたのもいい思い出です。また日本古来の歌舞伎や文楽もなくならないでしょうね。昔は伝統芸能って何が楽しいのかわからなかった。でもいまはいいなあと思います。

 また年を経ると変わるものと言えば味覚。若いころは生クリームたっぷり、バターたっぷりの洋菓子が美味しいと思っていた。そこで知人の京都の和菓子職人さんに「洋風の商品を作らないんですか?」と聞いたところ、「日本人は最後は餡子に帰るんや!」とおっしゃってた。実際、この年になってくると、餡子が美味しいと思いますもん。お魚も白身が美味しいな、お肉も脂身が少なめの方が…と、あっさりしたものが美味しくなってきた。味覚も少しずつ変化していくんですよ。

 また年末の格闘技中継を見ていると、また人気が復活してきてますよね。プロレスもいろいろと分かれて、いまや20団体位ある。これらの人気を支えているのが、私もそうですが、昔、格闘技やプロレスが大好きだった人たち。時間やお金に余裕が出てきたので、再び見るようになった。おもちゃの大人買いってありますが、あれと似たような感じでしょうね。昔好きだったものを、大人になって余裕ができてきたから、再び夢中になる。時代の移り変わりというのは面白いなと思います。

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