【荒木正医師】いびきの原因「睡眠時無呼吸症候群」には簡易検査がおすすめ

 【Q】寝ている際のいびきが大きく、たまに呼吸も止まっていると妻より言われました。どういった検査や治療を受ければいいのでしょうか?(50代男性)

 【A】睡眠中は舌などの全身の筋肉が緩み、気道がより狭くなります。そこに空気が通ると周囲の組織が振動していびきが生じます。日本人でいびきをかく人の割合は男性の24%、女性の10%と報告されており、多くの方にとって身近な問題です。

 いびきを生じる理由として、肥満により首周りの脂肪が増えるなどの体形変化に加え、下あごの小ささや、首の短さなどの日本人に多いとされる身体的特徴も大きく関与しています。

 いびきは原因によって大きく2つに分けられ、普段はいびきをかかないのに、疲れたときやお酒を飲んだときに限っていびきをかく「散発性のいびき」と、寝ているときはいつもいびきをかく「習慣性いびき」に分けられます。

 この「習慣性いびき」は、寝ている間の呼吸量の低下や覚醒の有無によって、さらに「単純性いびき」と、「睡眠時無呼吸症候群に伴ういびき」とに分けられます。「睡眠時無呼吸症候群に伴ういびき」は日中の眠気を生じ、脳梗塞や心筋梗塞などの発症頻度を高めることから、特に注意が必要です。

 睡眠時無呼吸症候群についての検査は本来、1泊2日の入院をして頂き、病院で寝ている間に脳波、酸素飽和度、心電図、筋電図、眼球運動、呼吸、体位、いびきなどのさまざまなセンサーを装着する終夜睡眠ポリグラフィー検査が行われます。

 ただ、この検査では時間的制約に加え、個室代を含め2・5~5万円程度の費用がかかるため、最初は自宅で指につける酸素飽和度と鼻につける呼吸センサーからなる簡易検査を勧めております。料金も初診代を含めて3割負担で3500~4000円程度のため、この簡易検査で異常が疑われた方は、前述の終夜睡眠ポリグラフィー検査を行って頂いております。治療については次回のコラムでご説明致します。

 ◆荒木 正(あらき・ただし)03年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大橋病院などに勤務後、16年に東京都江東区に亀戸内科クリニック開設。循環器・糖尿病内科医として地域に密着。総合内科専門医。循環器専門医。

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