浅田真央 トリプルアクセル解禁に意欲「練習で1回でも決まったら」

 「フィギュアスケート全日本選手権」(22日、東和薬品ラクタブドーム)

 公式練習が行われ、出場選手が最終調整を行った。慢性的な左膝の不安を抱え、今季ここまで苦しい戦いが続く浅田真央(26)=中京大=は、連続3回転ジャンプを決めるなど復調気配。ここまで封印してきたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)挑戦にも、意欲をにじませた。4連覇中だった羽生結弦(ANA)が欠場した男子は、成長著しい宇野昌磨(19)=中京大=が4回転フリップを武器に頂点を狙う。

 SPの滑走順抽選が行われ、女子は浅田が最終滑走となる30番に決定。「引いちゃった」と苦笑いだった。昨季女王の宮原が20番、世界ジュニア女王の本田が27番に決まった。男子は初優勝を目指す宇野が第4組の4番目となる20番滑走。昨年3位の無良が21番、NHK杯3位の田中が27番となった。

 銀盤の上で失ったものは、銀盤の上で取り戻すしかない。自己最低の9位に終わり、「自信をすべて失った」と涙に暮れた衝撃のフランス杯から1カ月。瞳に確かな闘志を宿し、真央が勝負のリンクに帰ってきた。

 「今季の中では一番調子がいい状態。技術も体も気持ちも、すべてが上がってきている。大丈夫です」

 公式練習では精度にばらつきはあったが、連続3回転ジャンプを決めるなど、まずまずの仕上がりを見せた。今季ここまでの試合では封印してきたトリプルアクセルにも4度挑戦。成功はなかったが、回転にはキレを感じさせた。「トリプルアクセルは全日本で跳ぶつもりで練習してきた。明日、あさっての練習で1回でも決まったら入れたい」と解禁に意欲をにじませた。

 フランス杯から帰国後、1週間ほど休養を取り、その後は全日本に向けて国内で調整を続けてきた。気持ちがそう簡単に前向きになったわけじゃない。「悩んだし、一度心が折れたこともあった」。それでも戦うことを選んだのは自分。「好きで戻ってきた。自分のスケートを大切にして、SP、フリーとも満足のいく演技をしたい」と自らに言い聞かせるように話し、うなずいた。

 不安がつきまとう左膝の状態を聞かれると、質問を遮るように2度きっぱりと言った。「大丈夫です。大丈夫です」。世界選手権の最終選考会だが、まずはこの大会で全力を尽くす。これまで何度も逆境をはね返してきた自分の力を信じ、ともに道を切り開いてきた大技を信じて、真央が舞う。

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