【ライフ】合格づくしのとんこつラーメン店 縁起の良さを追求 受験生も元気に

五角形の器で出てくる「合格ラーメン」。スープも飲みやすい
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 学問の神さま・菅原道真公をまつる太宰府天満宮(福岡県太宰府市)へと続く参道に昨年末オープンしたとんこつラーメン店「一蘭 太宰府参道店」がいま、参拝客らの話題を集めている。提供するラーメンはもちろんのこと、従業員の掛け声やトイレにいたるまで、合格や縁起の良さをとことん追求した合格づくしの店舗なのだ。本格的な受験シーズンが到来。一杯食べれば運気が上がるかも!

 天然とんこつラーメン専門店「一蘭 太宰府参道店」は昨年12月22日、西鉄太宰府駅前にオープンした。店前の自動券売機の前で出迎えてくれた店員の名札をよく見ると絵馬の形をしており、「おみくじ3年連続で大吉です!」と書かれている。

 「スタッフは全員、名札の名前の下に、自らの縁起のいいエピソードを書き込んでいるんですよ」。国内広報の坂根愛野さんが笑顔でそう教えてくれた。そこで、他のスタッフの名札も見てみると「生命線がかなり長いです!」「友だちに天寿さんがいます」など、名札をながめるだけで気分が盛り上がってくる。

 店に入ると、「幸せ~!」という店内スタッフの元気な掛け声に出迎えられる。同店では、「いらっしゃいませ」の代わりに「幸せ~!」、「ありがとうございました」の代わりに「幸せを~!」という挨拶が使われているのだ。「言葉には力が宿ると言われていますよね。そこで当店では、店内が希望や幸福感で満ちあふれるよう、このような言葉のおもてなしをさせていただいているんです」(坂根さん)。

 注目は、世界でここだけの限定販売という「合格ラーメン」(890円税込)だ。見たことのない五角(ゴカク=合格)形のどんぶりは、縁に太宰府の梅や合格絵馬があしらわれたゴージャスな器。麺は「合格麺」と呼ばれ、通常より2倍以上長い59(ゴーカク)センチ。少しでも長くおいしさをかみしめ、末長い幸せが訪れるようにとの願いを込めているという。そこで記者も合格ラーメンを注文してみた。

 一蘭といえば、各席が仕切られた「味集中カウンター」でおなじみだが、16席ある店内をよく見回してみると、麺の硬さなどを記入するためのペンや衣服をかける壁のハンガーは“落ちない”ようフックなどでつながれている。箸も五角形の「合格箸」。水を飲むコップは通常より長い「トール(=通る)コップ」だ。

 しばらくすると、店員が「合格です!」と威勢のいい掛け声とともに合格ラーメンを持ってきてくれた。これは「お待たせいたしました!」という意味。厨房(ちゅうぼう)内ではひっきりなしに「通ります!」の声がする。これはラーメンを運ぶ際、スタッフ同士がぶつからないよう、注意を促すための声かけだ。食べてみると、おいしい天然のとんこつスープが長い麺によくからみ、食べ応えがある。また、器が五角形のため、スープがとても飲みやすく、口に“すんなり入る”のもうれしい。

 さらに、トイレに入ると、壁にトイレットペーパーが11個も設置され、合格の「合」の文字を形作っている。「拭く紙」(=福の神)がいっぱいあることで、福の神が訪れるよう祈願しているとのこと。

 店内では縁起のいい言葉の掛け声が常に飛び交っているため、最初はとまどう客もいるというが、合格ラーメンを食べたあとは「元気をもらった」「本当に合格しそう」と励まされて店をあとにする受験生も多いそう。

 「当店はとことん合格や縁起の良さにこだわっており、まだ進化の途中です。運気が上がる最強のラーメンを提供し、ここで良い運気をいっぱい感じていただいて、合格をぜひ勝ち取って!」と坂根さんは受験生らにエールを送る。

 最後までスープを飲み干すと、五角形の器の底に、うれしい文字が現れた。それは味わってからのお楽しみだ。(デイリースポーツ特約記者 西松宏)

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