【野球】オリックスの「226事件」はなぜ起こったのか?

 オリックスの今季を振り返るときに『226事件』は避けて通れない。もちろん、昭和史に残るクーデターの話ではない。5月24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で22-6の大敗を喫した。この試合を指す。先発のディクソンが三回途中まで投げて7失点でKOされ、リリーフ陣も乱調。1イニング4押し出し四球など14四球、被安打17の惨劇だった。

 衝撃的な敗戦。ここにオリックスの今季が集約されていた。四回から登板した3年目の大山、2年目の鈴木優は2人で2回を投げ6安打8四球12失点を喫した。ともに前の試合から1軍に昇格したばかりだった。といっても好調を見込まれての昇格ではない。

 大山は昇格直前の2軍戦で一発を浴びるなど打者5人に対し3安打を打たれている。鈴木優はこの時点での2軍での防御率は6・55だった。昇格させられる投手がいなかったため、上げざるを得なかったのが実情だった。

 こんなこともあった。ある投手が1軍で打ち込まれた。2軍降格を1度は言い渡したが、代わりに2軍から上げられる投手がおらずそのまま残留。次の試合で再び打ち込まれた。入れ替えすらもままならない。結果、1、2軍ともに借金20以上の最下位。戦う以前に戦力不足と言わざるを得なかった。チーム編成の失敗だった。

 球団は改革に動いた。編成の責任者である瀬戸山隆三球団本部長と加藤康幸編成部長の任を解いた。球団本部長兼編成部長には長村裕之氏が復帰した。

 226事件を繰り返してはならない。ドラフトでは1位・山岡(東京ガス)、2位・黒木(立正大)をはじめ即戦力として期待できる大学社会人の投手4人を指名。外国人投手にフィル・コーク、マット・ウエスト、ゴンザレス・ヘルメンの3投手を獲得。さらにFA移籍した糸井の人的補償で阪神から金田も獲得。即戦力が期待できる8人もの投手を補強したことになる。

 補強だけではない。猛練習で戦力の底上げも図った。あの惨劇を経験した鈴木優は少数精鋭で臨んだ秋季キャンプに抜てきされ、見違えるボールを投げ込み首脳陣の目に留まった。右肩痛で今季を棒に振った近藤の評価も高い。

 福良監督は「チームが変わるとき。若い選手にはチャンス。目の色変えてつかみにいってほしい」と競争を期待した。

 ヒーロー誕生のエピソードに挫折や屈辱をバネにはい上がるストーリーはつきもの。チームにしても同じだろう。226事件を契機に12球団でもっとも優勝から遠ざかっているオリックスが変わるかもしれない。(デイリースポーツ・達野淳司)

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