【スポーツ】新スターは誕生するか?RIZIN2度目の年末 二刀流・那須川に注目

 暮れも押し迫り、総合格闘技イベント「RIZIN」(29、31日、さいたまスーパーアリーナ)がまた近づいてきた。昨年末の旗揚げからちょうど1年。久しぶりに総合格闘技の地上波中継を復活させたビッグイベントの活動の成果がどのような形で現れるか。業界の今後を占うと言える注目の大会となるだろう。

 今年の地上波中継は大みそかに5時間45分の大型枠だ。過去の視聴率を振り返れば、昨年大みそかの初中継は7・3%。2度目の中継が行われた9月大会の視聴率は7・2%だった。時代が違うとは言え、平均で20%を超えたこともあった「PRIDE」と比較すると物足りない。そして、数字がほぼ横ばいなのは、一度見たファンを引き留める内容であったと言えるが、新たなファンを獲得できていないことを示しているとも言える。

 この現状を打破をするために何が必要なのか。ありきたりな考えではあるが、象徴的なスターの存在はその一つだろう。PRIDEには桜庭和志らがいたように、人気を集めるジャンルにはファン以外にも名前を知られるスターがいるのは世の常。しかし、まだRIZINにはそこまでの存在が出てきていないのが現実だ。

 だが、候補はいる。シュートボクシングから参戦して3連勝中しているRENAは女子ながらその筆頭格だろう。実力と華やかなルックスを兼ね備え、戦う度に注目度が高まっている。大みそかにさらなるインパクトを視聴者に与えれば、知名度は跳ね上がるかも知れない。

 そして、大きな期待を集める逸材も大みそかにデビューする。キックボクシング界の神童と呼ばれる那須川天心だ。天才的な格闘センスの持ち主で、18歳の高校生ながら17戦17勝13KOという驚異的な戦績を残し、RISEバンタム級王座、ISKAオリエンタル世界バンタム級王座を保持。5日に行われたキックボクシングイベント「KNOCK OUT」旗揚げ戦では、本場タイのルンピニー・スーパーフライ級王者ワンチャローンを鮮やかな後ろ回し蹴り一発で失神させる1回KO勝ちを収めてファン、関係者に大きな衝撃を与えた。

 今回、RIZINの1年越しのオファーに応えて参戦を決意。キックボクシングと総合格闘技の“二刀流”で活動していく意向だが、RIZINの高田延彦統括本部長は、投手と打者で頂点を極めんとするプロ野球界の“二刀流”大谷翔平のレベルに「たどり着く可能性は十分ある」と期待を寄せている。出場は29日の大会で地上波に映るのは2日後となるが、「KNOCK OUT」で見せたような天才的なセンスを発揮すれば、視聴者を魅了することは間違いないだろう。

 とはいえ、大みそかはNHK紅白歌合戦など裏番組は強敵ぞろい。その中で2年目のRIZINがどれだけの視聴者を集め、どれだけ満足させることができるか。そして、新たなスターは生まれるだろうか。(デイリースポーツ・洪 経人)

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