【野球】大リーグのウインターミーティングって何?

 米大リーグの球団関係者や代理人らが一堂に会するウインターミーティングがワシントン近郊のホテルで、5日(日本時間6日)から4日間の日程で始まった。

 大リーグでは年中行事としてオーナー会議やGM会議も開かれているが、毎年12月初旬に開催されるウインターミーティングは最大規模だ。マリナーズの旅行担当者によると、毎年チームから出席するのは、経営陣、GMやスカウト陣が属する編成部門、現場からは監督やトレーナーら約50人。現在、メジャーは30球団で構成されているため、単純計算で約1500人。選手の代理人や報道陣、日本をはじめ海外の野球関係者を含めると、その数はさらに膨れ上がる。

 当然、受け入れる側の規模も大きい。今回の会場となったメリーランド州ナショナルハーバーにあるゲイロード・ナショナル・リゾートは19階建て。4~19階の部屋数は2000強、3階から下のイベント会場やレストラン、隣接するコンベンションセンター、すべてが“貸切”となる。

 開催期間中のイベントは多種多彩。ベテランズ・コミティーと呼ばれる選考委員会の投票によって決まる米野球殿堂表彰、スカウト陣の年間表彰、マイナーで長年くすぶっている選手を指名する「ルール5ドラフト」のほか、大リーグ関連の職をあっせんする「ジョブ・フェア」やトレードショーなどがある。

 その合間にも各球団は来季に向けた補強を着々と進める。フリーエージェント(FA)選手の獲得や球団間のトレードなど、チームごとに白板や膨大な資料を持ち込んだスイートルームで会議を重ねて戦略を練る。施設内のあちらこちらで球団幹部同士や、球団関係者と代理人が接触。勝負どころでは不眠不休で交渉を続ける。電撃的に発表される長期契約や大型トレードは同イベントの醍醐味のひとつだ。

 それらを取材する報道陣はホテルのロビーなどで球団関係者や代理人からの情報収集に心血を注ぐ。各球団の担当記者は通常、一日の終わりにチームの編成本部長やGMとの質疑応答の時間があり、合意に達した契約やトレード、もしくは進行形の交渉を聞き出す。テレビ・ラジオは施設内の各所に設置されたブースから、新聞やネットメディアの記者たちはツイートで情報を発信する。現地ではその日の夕方から夜、日本では朝方に多くの情報が発信されるのはそのためだ。

 日本選手ではレッドソックスからFAになった上原、田沢両投手、カブスからFAになった川崎内野手の去就が決まっていない。

 メジャー全体では、チャプマン(カブス)、ジャンセン(ドジャース)、メランソン(ナショナルズ)の3人のクローザー、ブルージェイズの中軸コンビだったエンカーナシオンとバティスタといったFA選手のほか、トレードのうわさが絶えないホワイトソックスのエースのセール、パイレーツのマカチェンの動向が大きな注目を集めている。(デイリースポーツ・小林信行)

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