【ライフ】第2の「マンデーナイト」なるかB.LEAGUE

 プロ野球がオフシーズンに入り、サッカーJリーグもレギュラーシーズンが終了。スポーツの試合開催は主に土日祝日に限定される時期になった。そんな中、積極的に平日開催を行っているのがバスケットボールだ。今年9月に開幕した新生B.LEAGUE(以下BLG)では、年内に開催される1部253試合中27試合、10%強が平日に行われている。ラグビーのトップリーグでも金曜日開催はあるが、BLGは金曜日に加え月曜日や火曜日の試合も珍しくはないのだ。

 BLGに統合される以前のbj、NBLは、平日開催に対し対照的な姿勢だった。昨年のbjはレギュラーシーズン622試合中、平日開催は28試合と約4・5%にとどまったのに対し、NBLは同324試合中51試合と約15.7%になっている。

 ただし、ある地方都市のBLGチームからは「土日開催ならば4000~5000人の動員が見込めるカードでも2500~3000人止まり」「関東や関西と異なり、スポーツを生で観戦する習慣がようやく根付いたレベル」などと、平日開催の難しさを指摘する声も聞こえてくる。

 さらに、BLGでは「ホームアリーナ制」を設置し、主催試合の約8割をホームアリーナで開催するという義務を定めた。同じ都市に同規模の体育館があっても併用できないため、例えば高体連の大会などとの兼ね合いで土日の日程が確保できず、やむなく平日開催に落ち着くケースもあるという。

 それでも、BLG自体は「新しいファンの開拓につながる」と、平日開催を前向きにとらえている。確かに土日に勤務するサービス業や飲食業の人たちにとっては、観戦する機会が増えることにつながる。また、プロ野球ファンのように平日の仕事帰りに観戦するスタイルが定着すれば、ファン拡大の効果も十分にあると言えるだろう。

 さらに2020年の東京五輪に向け、リーグ方針として代表の強化を掲げているだけに「国際試合がシーズン中に入った場合、短期間で試合日程を組む際に平日開催が増えることが想定される」という理由もある。

 かつてプロ野球がナイター定着によって国民的なスポーツへと成長したように、米国では60年代にアメリカンフットボールNFLが「マンデーナイト」の成功により人気が上昇した。月曜夜に好カード1試合をテレビ中継することで新たなファンの獲得に成功したもので、BLGの方針とも重なる部分がある。

 記者のようなスポーツ観戦好きにとって、選択肢が増えることは大歓迎。新進気鋭のリーグを、これからも見守っていきたい。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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