【野球】リーグ優勝からもっとも遠ざかるのはオリックスですが…

 セ・リーグは今季、広島が1991年以来、25年ぶりのリーグ優勝を果たした。これで「12球団でもっとも優勝から遠ざかっている球団」という汚名を返上した。新たに「もっともリーグ優勝から遠ざかっている球団」となったのはどこか。

 新たに「もっともリーグ優勝から遠ざかっているチーム」となったのはオリックス。仰木監督が率い、イチローらを擁して95、96年にリーグ連覇。しかしその後は優勝から遠ざかる。14年には優勝したソフトバンクの78勝を上回る80勝を挙げながら勝率で下回り、ゲーム差なしの2位に終わった。今季は最下位に沈み、20年連続V逸となった。

 一方で質問を「リーグ優勝」ではなく、「130試合以上を戦うレギュラーシーズンの最上位から遠ざかる球団」と変えると、答えはロッテになる。05年にリーグ優勝しているが、レギュラーシーズンではソフトバンクに続く2位。しかしプレーオフで“下克上”を果たし、リーグ優勝を手にしたのだ。

 現行ルールに当てはめれば、レギュラーシーズン最上位のソフトバンクがリーグ優勝。プレーオフで勝ったロッテはあくまでも「日本シリーズ進出」だ。しかし当時のパ・リーグは、レギュラーシーズン3位までのチームが出場できる「プレーオフ」を勝ち抜いたチームをリーグ優勝としていた。レギュラーシーズンを最上位で終えても、単なる「1位通過」でしかなかった。

 パ・リーグは04年から3年間、この制度を採用した。ちなみに04年もレギュラーシーズン2位の西武が、プレーオフで1位のダイエー(現ソフトバンク)を破ってリーグ優勝した。逆に06年はレギュラーシーズン1位の日本ハムが、第1ステージを勝ち上がってきたソフトバンクを倒し、リーグ優勝を決めた。

 これ以前のロッテの優勝となると、1974年にさかのぼる。巨人が10連覇を逃し、長嶋茂雄が現役引退した年。ロッテを率いていたのは金田正一監督だ。当時、パ・リーグは前後期制を採用しており、ロッテは後期優勝。前期優勝の阪急(現オリックス)と5試合制のプレーオフを戦い、3連勝で優勝した。

 前後期合わせた成績は、ロッテが69勝50敗11分け、勝率・580。2位の阪急は69勝51敗10分け、勝率・575だった。僅差ではあるが、ロッテが通年成績で上回っていた。文句なしの優勝と言えるだろう。

 ちなみにセ・リーグでは、01年に勝利数で順位を決定したことがあった(最多勝利チームと最高勝率チームが別だった場合はプレーオフ)。ヤクルトが勝利数、勝率ともにトップでリーグ優勝。しかし3位の横浜(現DeNA)が69勝67敗4分けで勝率・507、4位・広島が68勝65敗7分けで勝率・511と、下位チームの方が勝率が高いという逆転現象が起こった。当時、CS制度があれば物議を醸していたかもしれない。(デイリースポーツ・足立行康)

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