【競馬】馬事文化の発展を応援したい

 先日、JRAが全国ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」の決勝戦を10月9日に東京競馬場で開催することを発表した。ジョッキーベイビーズを簡単に説明すると、JRAが主催する子どもたちによるポニー競走。今回が8回目となり、地方予選の勝者が決勝の舞台に駒を進める仕組みだ。その地方予選に今年から新たに沖縄地区が追加され、18日に沖縄県の学校法人アミークス国際学園で地区代表選考会が行われた。

 沖縄に競馬場はなく、場外勝馬投票券発売所(ウインズ)も存在しない。競馬とは縁遠い場所で行う予選会の意味とは何か。JRAは競馬という興行のもとに成り立っている。当然、馬券の売り上げがあってこそだ。ただ、それだけではない。乗馬、馬術の振興など馬事文化発展も大きなテーマとしてある。ジョッキーベイビーズはその取り組みの一環として行われている。

 沖縄と馬のつながりは深い。ひとつの例は琉球(りゅうきゅう)競馬。これはJRA、NARが行っている競馬とは違い、速さを競うものではなく、脚並みの美しさを競う世界に類のない競走スタイルの競馬だ。さらには宮古馬、与那国馬といった日本在来馬も存在する。ただ、時代の流れで状況も変わった。現状は馬と関わる文化は薄れつつある。

 今回の沖縄地区予選開催に携わった元騎手でJRAアドバイザーの岡部幸雄氏は「今の沖縄の子どもたちは馬と触れあう機会が少ない。いいきっかけになってほしいですね。また、馬に乗っている子どもたちにとっては、この大会が目標になってくれればいいなと思っています」と語る。もともと馬との距離が近かったことから、試験的に沖縄予選が行われたが、このような取り組みは好感が持てる。他地区でも開催されるようになれば、馬というものが身近な存在になるはずだ。

 今回の沖縄予選は一例にすぎない。JRAはジョッキーベイビーズの他にもいろいろな催しを行っている。縁があって中央競馬を担当し、馬と関わりのある記者にとっては、競馬だけではなく、馬事文化が世間に広まることは歓迎。こうした試みは応援したい。(デイリースポーツ・小林正明)

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