【芸能】冠二郎 酒漬けから再起の過去
元プロ野球選手の清原和博氏(48)が覚せい剤取締法違反の罪で懲役2年6月(執行猶予4年)の判決を言い渡された。幾多の試練を乗り越え活躍してきたスーパースター。何とか再起してほしいと願う。「40代半ばで人生の再起…」。そんなことを考えている時に思い浮かんだのが、歌手・冠二郎(72)だ。
歌手デビューは1967(昭和42)年。77(同52)年にテレビ朝日系ドラマ「海峡物語」で主題歌「旅の終りに」の歌の吹き替えを担当して話題となったが、若いころはそれ以外の目立った活躍はなかった。
生活は荒れていた。無類の酒好き。仕事のない日は朝から飲んでいた。いつしか仕事の日も飲酒。仕事に穴を空けることもあった。当時は師匠の作詞家・三浦康照氏の家に住み込んでいたが、何度も「飲むな!」と言われるも飲酒を繰り返し、最後は台所にある料理用の日本酒まで飲む始末。アルコール依存症になり肝臓の病に。黄だんの症状も出て、眼球は緑色になったという。
見かねた師匠から言い渡された。「このままならお前は死んでしまう。でも歌手になったのだから、その前に一度、紅白歌合戦に出よう。そのためにも禁酒しよう。出場を決めたら、また飲めばいい」。89(平成元)年のことだった。
それ以後、この言葉を忠実に守った。酒だけでなく、大好きなギャンブル、たばこも断った。生活の乱れもなくなり、体も治した。その頑張りで91(平成3)年には紅白に初出場。その後も92(平成4)、95(平成7)年も出場した。見事に再起した。
だが、その祝杯はいまだにあげていない。「あのころの自分には戻りたくない」と紅白出場を果たした後も25年以上、酒は断っている。
そんな冠は今、幸せの絶頂にある。31歳年下の歯科衛生士(41)と3月31日に入籍し、5月26日に都内の神社で挙式した。挙式時の会見ではカメラマンのリクエストに応じ、新婦のほおへ8回もキスをするなど、遅く訪れた初婚の喜びでいっぱいだった。そんな中でも浮かれることなく、長年続けてきた“禁”はしっかり守った。
神社での挙式で行われる「三々九度の盃」。新郎新婦が交互にお神酒を頂き、夫婦の永遠の契りを結ぶ儀式。式後に尋ねたら「お神酒?飲みませんでしたよ。1989年で冠二郎は生まれ変わったのです」。今後もお酒を飲むつもりはないという。
実は「生まれ変わった」という89(平成元)年。冠は45歳だった。40歳半ば過ぎからでも強い気持ちがあれば人生のやり直しはできる。
冠の笑顔を見て、そう思った。(デイリースポーツ・栗原正史)




