中学時代の清宮が掛布DCに見せた一撃

 あのとてつもない打球は今でも目に焼き付いている。2年前の12月、阪神・掛布雅之DC(59)に同行して、東京・調布リトルシニアのグラウンドを訪れた。そこにいたのが当時中学2年で、現・早実の清宮幸太郎内野手(1年)。シート打撃で飛んでいった打球はとても、中学生とは思えなかった。

 確か掛布DCが契約メーカーである「美津和タイガー」の野球道具をプレゼントしに行った時だったと思う。何気なく見ていた清宮の打撃練習。快音を残した打球が、きれいに右翼後方の一番高い防球ネットを越えていった。報道陣は一様に目を見合わせ「あのネットを越えていくなんて…」とミスタータイガースも絶句した。

 慌てて調布シニアの安羅岡(やすらおか)監督に話を聞くと「160メートルくらいの飛距離がないとあのネットは越せない。過去にキューバ代表のキンデランが打ったと聞いてますが…」と規格外の逸話を明かした。11月に行われた公式戦で右中間へ特大の一発を放ったが、スタンドに飛び込んだボールは変形していたという。

 中学時代から高校生が使用する900グラム超の金属バットを使い、自宅では1・5キロのマスコットバットを振っていると明かした清宮。掛布DCは「今のままでも高校に入ったら間違いなく4番を打てるだろうな。清原、松井クラス。松井よりも打撃は柔らかいんじゃないかな。体も大きいし、プロでも中心を打てる」と語っていた。

 その言葉は2年後、現実のものとなった。早実では1年春からクリーンアップを打った。今夏の西東京大会では一発こそ出なかったが、6試合で打率・500、10打点と新入生とは思えない活躍で早実を5年ぶりの聖地へけん引した。

 あの時の取材メモを見返すと、清宮はハッキリとした口調で明かしていた。「甲子園は子供の頃から見てました。高校に入ったら甲子園に出たい。注目してもらえるようなバッターになりたい」。そんな清宮を横目で見ながらミスタータイガースは「僕としてはね、高卒からいきなりプロに入るんじゃなくて、大学を経て入って欲しいと思っている。高卒だと体力面とかやらなければいけないことが多いし、その間にスイングをいじられる可能性もある。大学出なら即戦力として見てくれるから。いきなり結果を出せば、自分のスイングを貫ける」と未来像を語っていた。

 ミスタータイガースも認めた怪童が、甲子園でどんなスイングを見せてくれるか-。衝撃の一発を目の当たりにした者として、清宮への期待はやまない。

(デイリースポーツ・重松健三)

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