W杯へ動き出したエディー・ジャパン

 ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は5日、4月18日の韓国戦(仁川)から始まるアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)に出場する15年W杯の日本代表第二次候補選手36人(FW22人、BK14人)を発表した。なお、今回はスーパーラグビー(SR)に参加しているSH田中史朗(パナソニック)、フランカーのリーチマイケル(東芝)など6人は選考対象外選手となっている。1月に発表された第1次候補からの変更点は、負傷で招集が見送られていたナンバー8のアマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)が、「いい方向に向かっている」(エディーHC)と回復が順調に進みそうな見込みということで再び選出された。昨年秋に彗星(すいせい)のようにジャパン入りして活躍した姿は記憶に新しい。何とかW杯本番に間に合ってほしい。

 2日にはアジアで初めて開催される2019年W杯日本大会の12開催都市が決まったことで、この秋のW杯への注目度が一気に増した。4月6日の宮崎合宿から9月の本大会へ向けて、いよいよ本格的に動き出すことになる。昨シーズンはテストマッチで10連勝をマーク、世界ランクでも初めてのトップ10入りを果たすなど、大きな成果を上げた。アジア予選を勝ち抜いて出場が決まってからは、「日本らしく戦い、そしてグループリーグを突破してベスト8に入ること」と指揮官の目標設定には全くブレがない。

 会見でも「1敗もせずにW杯を迎えたい。すべてのテストマッチを勝ちにいく。ひとつひとつが真剣勝負になる」ときっぱりと言い切った。W杯に臨むメンバーの最終発表は8月31日に予定されている。残り約5カ月。代表候補選手たちは激しいサバイバルに突入していく。「現時点では、どの選手にもポジションは保証されていない。先発の15人を目指して競ってほしい」とエディーHCはさらなるレベルアップを要求した。

 日本代表は9月19日の南アフリカ戦を皮切りに、スコットランド戦(同23日)、サモア戦(10月3日)、米国戦(同11日)とグループリーグの4試合を戦う。これまでのW杯での日本代表の試合内容を分析したというエディーHCは、「試合開始10分を経過すると対戦相手に引き離されていく。これは戦術的な問題なのか、それとも個人のスピードの問題なのか。一人ひとりがそこを理解しないといけない」と指摘。世界で通用する技術、戦術、フィジカルを徹底的に突き詰める方針を示した。そのため代表選手の選考も、国内レベルで活躍するより、インターナショナルの舞台で戦えるかどうかを重要視したことを強調する。

 まずは初戦の南アフリカ戦に全力を傾注するプランだ。「開幕戦はとても大事。南ア戦をいい形で戦えれば、次のスコットランド戦への大きな自信につながる」と並々ならぬ意気込みをのぞかせた。過去のW杯で日本代表が勝利を挙げたのは、91年大会でジンバブエ代表に52-8で勝った試合だけ。グループリーグを突破してのベスト8入りというターゲットは、とてつもなく高いハードルになるのは間違いない。それでもエディーHCには臆するところは見られない。「ワールドカップは勝つことがすべて。戦術、フィジカル…。ジャパンの選手たちには、やれる力がある」と断言した。半年後に迫った『JAPAN WAY』(ジャパン・ウェー)の集大成となる戦いが待ち遠しい。(デイリースポーツ・北島稔大)

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