顔合わせが災いしたJ最後の国立ゲーム

 現行の国立競技場では最後のJリーグ公式戦となった6日の甲府‐浦和はスコアレスドローに終わった。9人を守備に割いた甲府に対して浦和が猛攻をしかけた終盤こそ見応えがあったが、前半の決定機は、浦和が37分にMF原口がゴール左、角度のないところからシュートを放ったぐらい。総じて、静かな内容の試合となった。

 ただ、これは選手・監督が悪いわけではない。李、西川、槙野、阿部ら日本代表経験者がずらりと並ぶ浦和に対し、甲府のメンバーにザックジャパンの経験者はゼロ。DF青山直晃に日本代表経験があるものの、個人個人で見た地力の差はいかんともしがたい。キックオフ直後から5人のDFを配置し、ブロックをつくるのも無理はない話だ。

 その徹底した守備意識は対戦した原口に「ほかのチームなら最後は勝ちにくるけど、違った」とうならせるほどだった。浦和も、このパスが通れば決定機になる、という場面でのミスをしたり、試合終了間際に得た2本の直接FKを生かせなかったり(1本は壁へ、もう1本はゴール上へシュートを外した)するなど“落ち度”はあった。

 個の力の差が開けば一方が極端に守備を固めるのは、サッカーのリーグ戦では当然のこと。もしも記念の試合で派手なゴールラッシュを望むなら、攻撃的なチーム同士のカードにしたり、因縁のあるチーム同士にすべきだったのではないか。

 1993年5月15日、国立競技場で行われたJ開幕戦では、V川崎のマイヤー、横浜Mのエバートン、ディアスから合計3ゴールが生まれた。両チームは当時のサッカー界を2分する名門クラブで、開幕戦はこのカード以外、考えられなかった。

 生まれ変わる国立競技場を見送るような名カードを組めないのは、Jリーグの一つの課題だ。

(デイリースポーツ・広川 継)

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