巨人投手陣ハイペース調整の意味とは
キャンプがスタートして1週間。巨人の投手陣がハイペース調整を続けている。1日の初日には外国人を含む1軍スタートの18人全員がブルペン入り。開幕投手候補の内海や杉内は捕手を座らせて投球を披露した。次々と力強いボールが投げ込まれていく圧巻の光景に斎藤投手コーチは「自分のプロ野球人生で初めて」と目を丸くしたほどだった。
斎藤コーチが1年目だった1983年、当時2年目の槙原(寛己氏=野球評論家)が1月31日に捕手を座らせて投球し、藤田(元司氏=故人)監督に「もう(捕手が)座っているのか」と驚かせている。85年は投手陣の合言葉が「ハイピッチ調整」で、エース格の江川(卓氏=野球評論家)が2日目に捕手を座らせ35球を投げている。ただ、それでも初日からではなかった。それだけに、斎藤コーチにとっては仰天の出来事だったことだろう。
決して申し合わせて初日に全員がブルペンに入ったわけではない。ただ、プロ野球選手にとっての“正月”に足並みがそろったことに意味がある。グアムでの自主トレから帰国した際、「初日からブルペンで投げるのか?」と問われ「当たり前」と返した内海は初日を終え「今年はサバイバル。それだけ危機感を持ってやっているってことでしょう」と投手陣の気持ちを代弁している。
3年ぶりに1軍スタートとなった久保は第1クールでの4日間、毎日捕手を座らせ投球し、「楽しいし、刺激がある」と話す。広島からFA移籍した大竹は「ハイペースでは」との声に「そう見えるのかもしれないけど、ボク個人としてはそういう感覚はないです」ときっぱりと反論。選手個々の意識の高さが、初日全員ブルペンにつながったと言ってもいいだろう。
原監督の「キャンプ初日から全力で投げて走れる体を作るように」という要求を、言われるまでもなく当たり前のように実践して見せた投手陣。ボールがどうこうという以前のレベルの高さが、いきなり垣間見えた。
(デイリースポーツ・野畑圭司)
