永瀬「悔しい」けど意地の銅メダル 3位決定戦で世界ランク1位撃破

 銅メダルを披露する永瀬貴規
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 「リオ五輪・柔道男子81キロ級」(9日、カリオカアリーナ)

 男子81キロ級で世界王者の永瀬貴規(22)=旭化成=が、3位決定戦で世界ランク1位のチリキシビリ(ジョージア)に優勢勝ちし、銅メダルを獲得した。準々決勝で敗れ、73キロ級の大野将平(旭化成)に続く金メダルこそ逃したが、男子はこれで4階級連続のメダルとなった。女子63キロ級の田代未来(22)=コマツ=は、準決勝、3位決定戦で敗れて5位に終わり、今大会日本勢で初めてメダルを逃した。

 流れを途切れさせるわけにはいかない。3位決定戦で永瀬が意地を見せた。世界ランク1位のチリキシビリの序盤猛攻を持ち前の対応力でかわしきると、疲労が見える相手から3分40秒過ぎに内股で有効を奪い、そのまま押し切った。81キロ級では4大会ぶりの表彰台で、男子の4階級連続のメダルをつないだ。

 「金しか狙ってなかったので、悔しい気持ちでいっぱい。でも最後は本来の自分の柔道ができてよかった」。

 悔やんだのは準々決勝の一戦。過去2戦2勝のトマ(UAE)を相手に攻め手を欠いた。「ちょっと臆病になって動きが縮こまった。実力不足もあるけど、自分の弱さが出た試合」。井上康生監督からは、前日73キロ級で優勝した大野とともに「金メダルに1番近い」と、軸としての期待を掛けられていた選手でも、五輪の舞台は簡単には勝たせてくれない。

 井上監督は「負けるまで本来の動きではなかった。50%も出せてなかったんじゃないか。国際大会、世界選手権では圧倒できる力があっても、五輪は別な力、要素が必要なんだと感じている」と、首をひねった。

 ただ、まだ22歳。4年後には取り返せる舞台がある。「東京五輪では笑顔で終わりたい」。いつものように木訥(ぼくとつ)と発した言葉の中に決意を込めた。

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