田中佑典、予選ミス連発の男が逆転の立役者

 「リオ五輪・体操男子団体・決勝」(8日、リオ五輪アリーナ)

 男子の団体総合決勝を行い、予選4位の日本(内村航平、加藤凌平、田中佑典、山室光史=ともにコナミスポーツ、白井健三=日体大)は合計274・094点で、04年アテネ五輪以来3大会ぶり7度目の金メダルを獲得した。ロシアが271・453点の2位に入り、3位だった00年シドニー五輪以来の表彰台。3連覇を狙った予選1位の中国はミスが目立ち、271・122点の3位だった。

 崖っぷちで覚醒した。決勝の舞台、常に勝負弱さがつきまとった田中の姿はなかった。予選ではミスを連発した得意の平行棒で15・900点の高得点をマークし、逆転戴冠の立役者となった。

 「予選が本当にふがいなくて…」。思い浮かぶのは過去の世界選手権や五輪。勝負どころでのミスでチームに迷惑を掛けてきた。内村や白井、加藤といった強心臓軍団が「いつも通り」を口にする中、田中だけはあえて違う方法をとった。「平常心じゃいられないんですよ、ここまできたら。だから五輪は特別な舞台と思って思いのままに演技しました」-。

 重圧から解き放たれ、試合後いつになく田中は饒舌だった。「みなさん、心配だったでしょ?一番心配だったんじゃないですか?」。自らの殻を破った喜びがあふれていた。

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