沢“カズのお告げ”でなでしこ続行宣言

 ロンドン五輪のサッカー女子で初の銀メダルを獲得したMF沢穂希(33)=INAC神戸=が11日、今後も日本代表の活動を続けると宣言した。会場のロンドンから日本に帰国後、優勝した昨年のドイツW杯と、今回の五輪で1勝1敗となった米国との再戦を熱望。現役についても、雑誌の企画で対談したJ2横浜FCのFW三浦知良(45)の助言を受けて「やれる間はやりたい」と言い切った。

 やり残したことはまだあった。宿命のライバル・米国とはW杯、五輪の大舞台で1勝1敗。沢は「機会があればと思います。次の代表の試合がいつか、まだ分からないのでどうなるか分からないですけど。もう1試合やれたらいいなと思います」と再戦を希望した。

 五輪メンバー発表時には、「年齢的に最後になるかも」としていたが、あくまで五輪限定の話だった。今後の日本代表での活動について「選ばれたらの話」と前置きしつつも、「どうなるか分からないんですけど、監督さんが選んでくれればやりたいです」と続投を宣言した。

 ぐっすり機内で睡眠を取ったという沢は明るい表情で、約600人が詰め掛けた成田空港に降り立った。最近は顔を背けることもあったカメラマンの撮影も避けずに、INAC神戸の同僚・高瀬と談笑するなどリラックスしていた。到着ロビーでは詰めかけたファンに手を振って応えるシーンも。「(決勝で負けて)悔しさもある」とは言いながらも、一仕事を終えた安堵(あんど)感も漂わせていた。

 代表に限らず、できる限り現役を続けたいという思いは強まった。きっかけは五輪前、スポーツ雑誌「Number」(文芸春秋刊)の企画でのカズこと三浦知良との対談だった。「サッカーを持続するプロ意識はすごく勉強になった。やれる間はサッカーをやった方がいいという話をしてくださいました」。けが、病気に悩まされてきた中、自分もまだやれるという勇気がわき出てきた。

 女性版カズを目指すのなら、今年34歳の沢は短くとも、あと11年は現役を続けなければならないが…。沢は「何歳までとかはないです。心と体が一致しなければ、そこで終わりかなと思う。今の時点では、やれるところまでやりたいというのが正直な気持ちです」と言い切った。女子サッカー界のパイオニアは限界まで、これからも走り続ける。

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