大学院生ボクサー・坂本真宏、判定勝ち

 「ボクシング・フライ級8回戦」(17日、大阪市住吉区民センター)

 大阪市立大大学院に通う高学歴理系ボクサーで日本フライ級15位の坂本真宏(25)=六島=が日本ライトフライ級14位の油田京士(25)=エディタウンゼント=を判定2-0で破り、日本ランク入り初戦を飾った。戦績は坂本が7戦全勝(4KO)、油田が10勝(6KO)10敗。

 大接戦をものにした。坂本は1回、強烈な右を打ち込み、リードした。しかし3回、右ストレートを顔面に浴び、腰が落ちかける程、効いた。

 中盤以降は壮絶な打ち合い。右を打ち込むが、相手も意地の反撃。終盤には左目が腫れてふさがり、相手の右が見えなくなった。大ピンチを気力ではねのけ、最後まで攻め抜いた坂本に僅差で軍配が上がった。

 「正直、めちゃしんどかった。相手の後半のタフさ。倒すパンチも当たっていたのに、打たれ強いのか、当てるところが悪かったのか。最後は気持ちの部分が大きかった」と、安どした。

 同大の工学部機械工学科で学ぶ坂本は昨年、大学院試験に合格と新人王獲得の2つの目標を成し遂げた。4月から同大の大学院生となり、初戦だったが、調整は苦難を極めた。

 2月は卒論「種々の陽極酸化課程による酸化チタンナノチューブの形成」にかかりっきり。何とか卒論を提出し無事に同大を卒業したものの、試合へ向け追い込む時期の4月上旬にはインフルエンザで1週間、寝込んだ。

 初の8ラウンド、相手は日本ランカーと不安は尽きず。「どうしよう」と初黒星すら覚悟していた。それでも文武両道を貫きこの世界に飛び込んだ男は、最後まで気持ちが折れなかった。

 左目を腫らしながらも、18日には午前10時半から夕方まで授業に出席する。「ボクシングと勉強、両方やって、今年はランクを上げて(タイトル挑戦の)チャンスがもらえるように頑張りたい」とリング上で院生・坂本は宣言した。

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