「ボクシング・日本バンタム級タイトルマッチ」（１２月１６日、島津アリーナ京都）

　王者・大森将平（２２）＝ウォズ＝が８日、京都市内で会見し、２度目の防衛戦を同１４位で東洋太平洋同級２位のフィリピン人、マーク・ジョン・ヤップ（２６）＝六島＝と行うことを発表した。戦績は大森が１５戦全勝（１０ＫＯ）、ヤップが２２勝（１０ＫＯ）１２敗。

　ＷＢＣ１０位、ＷＢＯ３位、ＩＢＦ４位にランクし“京都で一番、世界王者に近い男”。来年には世界初挑戦を視野に入れ、今は焦らず牙を研ぐ時期。「今回は通過点。ヤップは岩佐選手ともやっているしキャリアは豊富。若さと勢いで勝ちたい」と意気込んだ。

　９月１６日に名門・南京都高（現京都広学館高）の先輩・向井寛史（２９）＝六島＝を６回ＴＫＯで返り討ちにし、初防衛戦に成功。ただ、力任せに大振りするなど、課題を残した。

　すぐにでも世界に挑戦したいが、マッチメークは難航。大森会長は「世界ランクを上げる意味もある。場数を踏む。前戦は悪いところが出た。そこを完ぺきにする」と、じっくり仕上げる考えだ。

　最大の標的は高校の偉大な先輩、ＷＢＣバンタム級王者・山中慎介（帝拳）。９月２２日のモレノ（パナマ）戦も、テレビでくぎ付けになり観戦した。「距離感、ジャブの使い方だったり、無駄な動きがない。あれを次の試合でしたい。まだまだ比べたら自分は低い。ちょっとの差と思うけど、そのちょっとの差を埋めるのに、あらゆることをしないと」と気を引き締めた。

　一方、大森会長は山中攻略に自信満々。「山中に勝つ方法は見えた。こういうことをされたら嫌なんだな、と。誰でも穴はあります。それをモレノが教えてくれた。感謝です」と不敵に笑った。

　山中先輩とともに、ＷＢＣのベルトに大森は別格の思いがある。「緑が欲しい。ＷＢＯでもＩＢＦでももちろん欲しいけど、みんなが知ってるのはＷＢＣ。自分のＷＢＣのバンタムは長谷川穂積さんです。３４歳になってまだやるのは勇気。自分が後先を考えてる年齢じゃないな」と、現役を続けるレジェンドの背中を刺激にした。