帝里木下、世界再挑戦への前哨戦で苦戦

 「ボクシング8回戦」(23日、神戸芸術センター)

 IBF世界スーパーフライ級4位の帝里(ている)木下(29)が53・0キロ契約8回戦で判定2-1で辛くも勝利。格下の日本フライ級5位・最暴愚畷谷(さいぼうぐなわてだに)の徹底した接近戦に、右まぶたをカットするなど大苦戦した。

 IBFから指令を受け、陣営は次戦、12月に世界挑戦者決定戦を組む予定で交渉中。決定戦に勝てば、指名挑戦者として同王者・マックジョー・アローヨ(プエルトリコ)への挑戦権を得る。再び臨む世界ロードへ向け、弾みを付けたかったが、不安を残した。

 ファイターの最暴愚をさばいて攻略するプランは減量苦が響き、足が全く使えなかった。「ジャブ、ジャブで突き放して戦う予定が雰囲気に飲まれてしまった」と初回から体を付き合わせて、ボディ攻撃を食らった。

 中盤以降、ようやく中間距離でワンツーをヒット。右フックを強打し、右まぶたを腫れ上がらせたが、相手の前進は止まらない。一進一退の中、7回には帝里が右まぶたから流血。最終回まで格の違いを見せ付けることはできなかった。

 帝里は「相手の気迫は分かっていたけど、未熟でした。リングに上がるまでのコンディションをしっかりしないと。いい勉強になったとしか言いようがない。試合に勝ったけど気持ちは負け。勝って生き残ったのを前向きに考えるしかない」と反省しかなかった。

 昨年7月、初の世界戦となったIBF同級王座決定戦でゾラニ・テテ(南アフリカ)に判定で完敗。そこから2戦2勝とし、今回が世界へ向けたリハーサルとなる予定だった。

 同級の上位選手、王者・アローヨもサウスポー。帝里はテテ戦を含めサウスポー同士の対決に苦手意識があり、最暴愚を相手に克服したかったが、「100のうち7くらいしかできなかった」と課題を残した。

 とはいえ、雪辱チャンスは逃す気はない。「世界を意識し、そこを見ないと。こんなとこでクヨクヨできない」。拾った勝利を自らの戒めとし、反攻を誓った。

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