再起戦飾った長谷川の今後に家族は…
「ボクシング10回戦」(9日、神戸市立中央体育館)
ボクシングの元世界2階級王者・長谷川穂積(34)=真正=が、再起戦となるフェザー級ノンタイトル10回戦に臨み、WBC世界スーパーバンタム級9位オラシオ・ガルシア(24)=メキシコ=に3-0で判定勝ちした。
長谷川の妻、泰子さん(35)は2人の子供とリングサイドで激戦を見守った。「入場してきた時には泣きそうになった。常に怖かった」と無敗のホープとの対戦は家族にも不安が大きかった。
試合に向けて緊張が高まる夫に対しては「相手が強いと言っても同じ人間。スポーツなんだから、ボクシングをすれば勝てる方法はある」とゲキを飛ばしていたという。キャリアの差を見せつけた夫に「かっこよかった。あんな姿をまた見られると思っていなかった」と笑顔を咲かせた。
また、元プロボクサーの父の大二郎さん(59)は「心臓が止まりそうだった。おやじに教わったボクシングをするからと言っていたが、攻防一体でクリーンヒットをもらわなかった」と快勝をたたえた。4月末、兵庫県西脇市の実家に帰った長谷川が、亡くなった母・裕美子さんの仏壇を掃除し、水やお茶、花を供えて長い時間手を合わせていた姿を見た。「あんなことをしていたのは初めて。今回は何か変わったなと思った」と息子の決意を感じていた。
今後については、「ハラハラするのは体に悪い。もうやめてほしい」と親心を見せた大二郎さん。泰子さんは、「また、見たいのと怖いのと半々」と複雑な心境を口にしていた。
