父・丈一郎も同じ2回KOプロデビュー
「ボクシング4回戦」(16日、大阪府立体育会館)
「ワールド・プレミアム・ボクシング21 The REAL」が16日、大阪府立体育会館第1競技場で開催され、元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(44)の次男・辰吉寿以輝(18)=大阪帝拳=がプロデビュー戦に臨んだ。スーパーバンタム級の4回戦で行われた試合で、プロ戦績1勝2敗の岩谷忠男(31)=神拳阪神=を2回2分45秒KOで下し、初陣を勝利で飾った。
父・丈一郎は1989年9月29日に今回試合が行われた大阪府立体育会館第1競技場の階下にある第2競技場でプロデビュー戦を行い、寿以輝と同じく2回KO勝ちしている。
19戦18勝(18RSC)1敗というアマチュア戦績を誇る丈一郎のデビュー戦は、日本人選手20人ほどに声をかけたが、「ぶっ壊される」と断られ、韓国ランカーの崔相勉(韓国)を迎えることになった。
バンタム級6回戦で行われた試合では、立ち上がりから辰吉が圧倒。デビュー戦とは思えない落ち着きを見せながらグローブタッチを終えると、的確なジャブで突進しようとする崔をさばく。初回中盤からは崔に“宝刀”左ボディーアッパーを叩き込み、ダメージを与える。相手のラフな左右フックはノーガードのまま軽やかなボディーワークでかわすなど後につながる“辰吉スタイル”は既にこのころから見せていた。初回終了間際に右ストレートでダウンを奪う。
2回に入ると、辰吉はさらに攻勢を強める。相手をロープに釘付けにすると左ボディーを絡めたコンビネーションを繰り出し、この試合2度目のダウンを奪う。崔は立ち上がるが、ダメージが深く、主審が試合を止めた。2回47秒KO勝ち。ここから「辰吉伝説」が幕を開けた。
後に「浪速のジョー」と呼ばれる辰吉だが、当時は「浪速のタイソン」で通っており、翌日のデイリースポーツでも「浪速の和製タイソン豪快にデビュー飾る」の見出しが紙面を飾った。
