服部海斗さん追悼興行に陸&力斗が出陣

 慢性骨髄性白血病のため2月24日に死去した17歳のプロボクサー・服部海斗さんの兄・力斗(20)と、親友でWBAアジアミニマム級王者の加納陸(17)が25日、所属する兵庫県三田市の大成ジムで会見し、6月7日、同市総合文化センターで行う同ジム主催「服部海斗追悼興行」に出場することを発表した。

 力斗は熊本の本田フィットネスから昨年6月にデビューし、2戦2勝(1KO)。遺志を継ぎ、強い希望で弟の過ごしたジムに移籍した。「兄弟そろって、一緒の興行でリングに立つのが2人の夢だった。やっと夢がかなう。いろんな人に見てもらいたい。一緒に出て勝つ、という小さい時からの兄弟の約束を果たしたい」と決意をにじませた。

 試合当日のトランクスは弟と同じデザイン。「チーム海斗」の文字を入れ、「力斗、海斗、壱斗」と3兄弟の名を記した。「最後に交わした言葉はいつも考えている。『治してやるから』って言葉をかけて、海斗は泣いていた。今も(天国の海斗に)話しかけるたびに、涙が出てくる。僕が試合に出ることで、海斗のことを忘れず思い出して欲しい」と目を潤ませた。

 加納は3月のB級プロテストを受験し、合格。17歳未満は日本のリングに立てない規則のため、16歳時に服部さんと同時に海外プロデビューし、5勝(3KO)1敗1分け。満を持して迎える地元での国内デビュー戦に親友の思いも背負う。

 「やっとスタートラインに立てる。気持ちは整理がつきそうでつかない。練習している時とかふと思い出すことが多い。海斗はボクシングがずっとしたくてできなかった。俺はできるので全力でやるだけ。海斗も会場に絶対おると思う」

 2人の夢は井岡弘樹氏の18歳9カ月を越える国内最年少世界王座奪取。「俺は俺の夢がある。見守ってくれているし、結果で喜んでもらいたい」と前だけを向いた。

 試合当日は追悼セレモニーが行われる。服部さんの勇姿を伝える映像を流し、10カウントゴングが鳴らされる予定だ。

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