イチロー3タコも同僚が笑顔のワケは?

試合前の練習中にブレーブスのカストロ・コーチと談笑するイチロー=ジュピター(撮影・小林信行)
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 「マーリンズ春季キャンプ」(10日、ジュピター)

 マーリンズのイチロー外野手(42)は10日(日本時間11日)、ブレーブスとのオープン戦に「1番・右翼」で出場し、3打数無安打、1四球だった。

 初回の打席は右腕ノリスの初球、真ん中148キロの直球を打って出て右飛。三回無死一、二塁の好機は一ゴロ。二塁封殺で一塁に残ったが、けん制死した。五回1死走者なしの打席は投ゴロ。七回1死走者なしの打席は四球で出塁したが、二盗に失敗した。七回の守備で交代した。

 狙い澄ました一撃にベンチ内の仲間たちが身を乗り出した。初回の打席。イチローが真ん中に入った初球を渾身の力で振り抜いた。快音とともに弾かれた打球。しかし、センターからレフト方向に吹く強い風を受けて失速した。

 「ここまで風が強くなければ、間違いなく(右翼席に)入っていた。きょうは“イチの日”ではなかったということだね」。

 そう話したのは、ベンチからイチローの打席を見守った内野手のメディカだ。

 同内野手によると、ベンチに戻ったイチローは声を荒げて悔しがったという。「腹を立てるフリをした、という表現が正しいね」。試合中は常にポーカーフェイスの42歳が見せた“演技”にみんなが爆笑した。

 イチローが二盗を試みたのは四球で出塁した七回だ。カウント3-1からスタートを切ったが、3球連続ファウルで一塁へ逆戻り。最後は自分のタイミングで走ることができず、空振り三振&盗塁死という最悪の結果に。今オープン戦最多の4打席。疲労困憊の表情でベンチに戻ったイチローの元に駆け寄ったのはメディカ。「ベンチにエアコンはないからね」。手にしたタオルでパタパタをあおいで労をねぎらうと、イチローが笑顔を見せた。

 1カ月後の開幕に向けての準備期間。イチローが過去のオープン戦で意図的にギリギリのタイミングで帰塁したり、盗塁を試みたりしたことは一度や二度ではない。メジャー最年長野手がもたらす空気。チームの雰囲気はいい。イチローが愛されている。

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