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イチロー、苦手左腕から2安打2打点

2014年8月25日

 ホワイトソックス戦の6回、右前に2点打を放つヤンキースのイチロー=ニューヨーク(共同)

 ホワイトソックス戦の6回、右前に2点打を放つヤンキースのイチロー=ニューヨーク(共同)

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 ホワイトソックス戦の6回、右前に2点打を放ち、一塁上に立つヤンキースのイチロー=ニューヨーク(共同)  ホワイトソックスにサヨナラ勝ちし、ジーター(2)と喜ぶヤンキースのイチロー=ニューヨーク(共同)

 ボールの動きやキレ、軌道など、打席に立たなければわからないことがある。三回の第1打席は情報収集をする目的も兼ねていたが、イチローが打ったのはなんと、初球。遊撃手の後方へ落とした一打に「打つ気なかったんですけどね。なんか打っちゃいましたね。1球しか見てないから自分で苦しめた結果になりましたね」と言って笑った。

 見せ場は1点ビハインドの六回だ。2死満塁の場面で初球を打って出た。「狙いに行ってなかったらバットを振ってない」。今度は狙い澄ましての初球打ち。ライナーでライト前へ運び、走者2人をホームへ迎え入れた。チームを鼓舞する一撃。守備位置が中堅から右翼に変わった七回には右翼席からイチローコールが起こった。

 セールと最後に対戦した12年8月22日の試合は3打席連続三振。その日以降、相手左腕はヤンキース戦に3度先発しているが、イチローは全試合で控えに甘んじてきた。たまっていたうっ憤を晴らす今季19度目の複数安打。しかも、セールが左打者に適時打を許したのは、13年8月17日のツインズ戦でのマウアー以来、1年ぶりだ。試合後、その事実を知らされたイチローは自分のことよりも相手左腕の快記録に「それはすごいよね。そんなことあるんだね」としきりに感心していた。

 198センチの長身のセールは手足が長く、サイドから繰り出す球には角度があり、左打者には厄介な投手だ。「それは、多分、アルゼンチンのサッカーファンが見てもわかるんじゃないですか」。ジョークで笑わせたイチローが見出した攻略法とは。「これからも対戦がある。コツとかレシピとか、僕、言わないですよ」。過去の経験を昇華させていく‐。この日の3打席で確かなものをつかんだ。

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