“昭和の喜劇王”藤山寛美さんを祖父に持つ俳優・藤山扇治郎（２９）が３０日、都内で藤山寛美二十七回忌追善「松竹新喜劇　爆笑七夕公演」（７月９日初日、東京・新橋演舞場）の取材会を行い、祖父の当たり狂言を演じる覚悟を披露した。

　扇治郎は１３年に松竹新喜劇に正式入団。約３年半のキャリアで祖父が演じた「愛の設計図」、「浪花の夢　宝の入船」、「夜明けのスモッグ」、「はるかなる道頓堀」を東京のファンに披露する。扇治郎は「祖父は面白いし、すごい。役によって全然違う。生の舞台を見たことがないので、祖父と一緒に演技された周りの方話を聞いて、役を突き詰めて行きたい」という。

　新喜劇の代表で演出も担当する渋谷天外（６１）は「入ってきた時は“どないなるんかな”と思ったが、公演ごとにブイブイ伸びて行く」と扇治郎を評価。特に「－スモッグ」の演技に関しては「この芝居は普通の役者はできへん。寛美さんはお客さんとやりとりしとったが、扇治郎もそれをやりよる。ＤＮＡなのか？持ち前のアホさなのか？何も感じてへんのか」と言った後、扇治郎に向かい「アンタ、大した役者やで」とヨイショした。