KAT-TUN予定外ラストに思い凝縮

 今月1日の東京ドーム公演を終えたKAT-TUNがソロ活動に専念して力を蓄える充電期間に入った。3人の再集結時期は未定とあって、充電前ラストライブを見守ったファン5万5000人は一時の別れを惜しみ、何度もアンコールを求めた。予定時間を過ぎながら行われた4度目のアンコールは、3人によるアドリブで実現したものだった。

 コンサートは午後6時開演、午後9時までの3時間を予定していた。ダブルアンコールで発売未定の3人による新曲「BRAND NEW STAGE」を歌い終えてもなお、ハイフン(ファンの愛称)の声援は鳴りやまない。

 終了時刻が迫りながらもトリプルアンコールに突入。もう1曲歌を披露するかトークのみで終わるかは状況次第だったが、この日の公演で2曲目に披露したデビュー曲「Real Face」を再び歌いあげた。

 2006年のデビューシングルで終演…と思われたが、「もう1回」コールが沸き起こる。上田竜也(32)が「俺たちを困らせんじゃねえ」とあおり、亀梨和也も「急きょ後ろでバタバタと決めた」と声援に応え、姿を見せた。

 「アイドルで一番やっちゃいけない」と客席にお尻を向けながら、ちゃめっ気たっぷりに作戦会議を開いた亀梨は「あと20分ちょうだい」と会場全体に延長を要求。中丸雄一(32)も「関係者とつないでもらっていいですか?」とマイクを通じてスタッフに呼びかけた。

 午後9時15分。亀梨が「もう1回、騒ごうと言うことで『Peacefuldays』」と充電前ラストソングを決め、最後はファン全員で歌詞にある「K-A-T-T-U-N」の大合唱でフィナーレを迎えた。

 公演が終了したのは予定時刻を約20分も超えた午後9時20分ごろだった。関係者によれば、4度目のアンコールは予定になくメンバーのアドリブで実現。“ラストソング”もステージでメンバーがスタッフと連絡を取り合って決めたという。

 最後に選んだ楽曲「Peacefuldays」は、2枚目アルバム「cartoon KAT-TUN 2 You」初回限定版に収録された曲でこの日、2度目の披露となった。ユニットとしての充電期間前に、グループ名「KAT-TUN」を連呼した全員で盛り上がれる楽曲とあって、会場の熱気も最高潮に達した。前向きな船出を印象づける、これ以上ない選曲だったのではないだろうか。

 今後はソロ活動をしながら力を蓄え、再集結を目指す。「これがKAT-TUNを守るために必要な時間だったと思えるように、未来を作り続けていきたい」と意気込む亀梨は、以前から「海外の方々と仕事ができるようになりたい」と世界を意識している。

 ボクシングを長年続けるなどアスリートの一面も持つ上田は「大きくなって戻ってきたときに、たくさん笑いましょう」と語った。充電が決まったときに「納得できない部分が心の中にあった」と打ち明けた中丸も、「ベストとは言えないけど後ろ向きなものではないんだなと整理がつきました。力をつけて面白いものができると思いますので、また会いましょう」と再会を約束した。

 充電終了時期については、亀梨も「自分たち次第」と語る。充実したソロ活動によって3人がさらなる成長を実感できたとき、再集結の扉は開かれる。

 (デイリースポーツ・上野明彦)

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