湊かなえ氏素顔は「関西のおばちゃん」

 ベストセラー作家の湊かなえ氏が27日、大阪市内で行われたイベント「うめきた未来会議MIQS04」でトークショーを行った。兵庫・淡路島で主婦業と並行して執筆活動を行っている湊氏は、屈指の人気小説家でありながら「関西のおばちゃん」と称し、「ケーキ屋さんになる夢がありますから」と将来の作家引退構想を明かすなど、奔放なトークで沸かせた。

 この日も、淡路島から大阪に「バスで来ました」と明かし「今朝、旦那さんからプレゼントをもらって結婚記念日だったと思い出しました。忘れてた」とマイペースに切り出した。

 読んだ後に嫌な気分になるミステリー「嫌ミスの女王」と呼ばれることには、「デビュー作の『告白』を書いた時には、『復讐の話だけど、すっきりしました』との声も半分くらいいただきましたけど、『女王』とまで言われると、それも言いにくくなったのでは」と笑顔で語った。

 「自分で言うのもなんですが、普通の人より、腹黒いとか残酷なわけでないので、書くときは、自分の中から綺麗なものを取り出し、小さな黒い塊を膨らませる感じですね」

 松たか子主演で映画化された「告白」をはじめ、ドラマ化された「Nのために」「夜行観覧車」など、映像化作品も多い。

 毎日、昼間は主婦業。午後10時から午前4時ごろに執筆を行っている。理由は「住んでる場所が新しい住宅地で、最近は昼間にどこかしら重機の音がしてたので、音のしない夜に書くことにしました」と話す。作品を執筆中は、自覚はないものの、買い物先で、知人に「すごい怖い顔」と言われることもあるという。

 小説家になった経緯については、27歳で結婚し、28歳で第1子が誕生したが、第2子になかなか恵まれず「不育症のようなところがあることが分かり、ならば何か新しいことに挑戦したくて、脚本、小説を書いて投稿したのが始まりです」と明かした。

 これまで8年の作家生活を「気がつけば読んで下さる方々がいて、5、6年分の仕事が決まっていて、大人だから約束したことは守らないと、という不思議な義務感でがんばってきました」と振り返ったが「ケーキ屋さんになりたい夢がまだありますから、5年後、10年後はまだ小説家でいたいですが、20年後にはまた新しい自分がいてほしいですね」と、将来の構想も明かした。

 初期の作品が暗かったため、子どもがいることは明かしていなかったが、中学生になったため昨年に公表。「これで母親の立場として、一番言いたいことも書ける」と思ったそうだが、5月刊行予定の新著について「むっちゃ、ドロドロになってしまいました」と頭をかいて、笑いを誘っていた。

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