フジテレビは今年９月に胆管がんのために亡くなった女優・川島なお美さん（享年５４）の素顔に迫るドキュメンタリー「独占！初公開！直筆日記と死の直前秘蔵映像！　女優・川島なお美物語～余命宣告　闘病全記録～」（仮）を１２月２４日の午後７時から放送することを２６日、発表した。

　番組では亡くなる直前まで出演する予定だったミュージカルの通し稽古の様子などの秘蔵映像を初公開。

　夫でパティシエの鎧塚俊彦氏（５０）の協力で、川島さんが“素顔”に戻る場所である自宅を公開。そこで、彼女の死後初めて発見された直筆の闘病日記も独占初公開する。

　日記に書かれていたのは「生きることへの執着」、「がん」への思い…。夫・鎧塚氏にさえ決して語ることのなかった川島さんの本音や、遺言のような言葉がつづられていた。

　さらに、夫も知らなかった写真を丁寧に仕分けしたアルバム、夫のためにわかりやすくスケジュールを書き込んだカレンダー、夫が忘れ物をしないように書き残した直筆メモなど…。川島さんの思いあふれる空間で、２年に及ぶ壮絶な闘病生活の全貌を、支え続けた鎧塚氏が初めて語る。

　おしどり夫婦と言われた夫妻だが鎧塚氏は「けんかして僕が出ていくこともありました。妻は“年に１度のお祭り”みたいに言っていましたが。１度けんかして僕が妻の電話を取らなかったら、（女優の）倍賞（千恵子）さんから電話がかかってきて『俊さぁ、なお美ちゃん心配しているよ。電話に出てあげなきゃダメよ』と言われたことがありました」とエピソードを披露。

　闘病については二人で常に相談して判断していたといい、抗がん剤治療を受けなかったことについて「妻は、”川島なお美らしく生きたい”と考えており、そのためにどうするかを夫婦で話し合って決めました。女房の一貫した物の考え方というのはブレずに最後亡くなるまでそれを貫き通したなと思っています。結果的に見て手術は（がんが）見つかってから半年ぐらい手術しなかったわけです。そこに関して妻は一切その判断が間違っていたという考え方を持っていなかったです」と明かした。

　また２０１４年１月の最初の手術で腹腔鏡手術を選択したことについても「人間の体というのは、楽器のようなものなので、ベンツ切開することによって変化してしまうと考えておりました」などと語っている。

　番組では川島さんが愛した軽井沢の別荘も訪問。この夫婦の思い出の地で、鎧塚氏が川島さんと最後に交わしたＬＩＮＥのやりとりも初公開。そこには、川島さんが初めて見せた病への不安や恐怖の言葉がつづられていた。突然の舞台降板から、入院、そして死の間際、鎧塚氏にだけ見せた衝撃的な最後の様子も初めて明らかとなる。

　その他、女子大生アイドルとして「シャンペンＮＯ．５」で歌手デビューしてから、女優としての活躍を続ける中、運命の人・鎧塚氏との出会い、夫に対して見せた献身的な姿、闘病生活など、人生の全記録を追う。また、両親やゆかりのある人たちのインタビューも放送される。

　フジテレビ編成部の編成企画・情野誠人さんは「この番組を通して、今まで我々が知らなかった真実の川島さんの素顔をお見せできればと思います。彼女の強さの源にも迫ります」と話している。