阿藤さん遺作共演の大林素子が悔やむ

 バレーボール元女子日本代表でタレントの大林素子(48)が16日、都内で会見し、急死した阿藤快さん(享年69)をしのんだ。大林は主演舞台「MOTHER~特攻の母 鳥濱トメ物語~」で阿藤さんと舞台初共演しており、1日に大阪・シアタードラマシティで千秋楽を迎えたばかりだった。

 大林は阿藤さんの訃報をこの日の朝知ったという。「一緒に公演に出ていた方から聞きました。すごくビックリしてしまって。1日の公演が終わった後『お疲れさまでした』と言葉を交わしたのが最後でした」と顔を紅潮させた。

 同舞台は10月7日の東京を皮切りに全国で計18公演行われ、Wキャストで警察署長役を演じた阿藤さんは14回舞台に立った。大阪公演は10月31日と11月1日に行われたが、大林は「(公演前の)28、29日に阿藤さんは薬をもらいに東京の病院に行かれたんですよ。『ご病気なんですか?』と体調のことを聞くと『年だから。大丈夫』とおっしゃって、“病気感”はまったく出さなかったです」と振り返った。

 大林によると、10月30日には阿藤さんのスケジュールに合わせて大阪で打ち上げも予定していたが、阿藤さんから当日に「本番やって帰るわ」とキャンセルが入り、参加はしなかったという。

 キャスト・スタッフに押し隠して病院へ行っていたらしく、大林は「阿藤さんは(年のせいで)肩が痛いといったりしたことはありますけど、舞台では『つらい』とか一度もいったことがないんです。あの頃、やっぱり具合が悪かったのかな」「あれが何かのサインだったのかな、もっと気遣ってあげられてたら…」と異変に気づけなかったことに、後悔の表情を浮かべた。

 大林は「阿藤さんは私の思い込んだ役作りに『そうじゃないんじゃない。台本読んで(役の)気持ちに戻ってください』といってくださいました。本当にありがとうございます」と舞台人としての阿藤さんに感謝した後、「(阿藤さんの死は)会って顔を見るまで信じられません。本当に忙しかったので、ゆっくりしてください」と冥福を祈っていた。

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