橋田壽賀子氏、文化功労者に驚き

 政府は30日、文化功労者に脚本家の橋田壽賀子氏(90)らを選出した。橋田氏はこのほど都内で行った会見で、脚本家で初めてという栄誉に「大衆と生きているだけで、文化と思っていなかったので、ライターが文化なの?と驚きました」と素直な感想をもらしつつ、笑顔で喜びを表現した。

 1949年に松竹に入社し、脚本部に配属された。その後、テレビドラマの道に進み、1964年にTBS「愛と死をみつめて」で注目された。83年のNHK連続テレビ小説「おしん」は最高視聴率62・9%を記録し、世界各国でも放送。さらに「おんな太閤記」「春日局」などの大河ドラマや「渡る世間は鬼ばかり」などのヒットドラマを次々と生み出した。

 隆盛を極めた映画界からまだ新興のテレビ界にシフトしたことに当初は「バカにされたこともあった」が、皇太子ご成婚が生中継された様子を見て“テレビの時代”を確信。「映画は脚本をスタッフや俳優が変えちゃうけど、テレビは1行も変えずに演じてくれる。それで、バカにされてもテレビドラマをやろうと決めた」という。

 執筆で大事にしてきたのは「お茶の間感覚」。橋田氏の脚本といえば、長いセリフが特徴だが「テレビは洗い物とか何かをしながら見ている。言いたいことを伝えるには、しゃべらなきゃ。ラジオドラマと思って書いている。芸術作品を書くつもりはない。二流で結構です」と話す。

 自らが戦前、戦後、高度経済成長と、昭和から平成の日本を生き抜き、姑との関係で苦労も体験。そんな実生活に根ざした作品群が親しみやすさにつながっている。「流行言葉は使わない」「不倫や殺人は扱わない」というポリシーは今でも貫く。

 1993年には「橋田賞」を創設し、放送文化に貢献した番組や人物を自ら表彰するなど、後進の育成にも務める橋田氏。脚本家人生半世紀を「いい時代に仕事させてもらった」と振り返り「もう十分にいろいろ書かせてもらった。90歳になった私が書くドラマは受け入れられないわ」と謙そん。それでも「(功労者)に選ばれたから、普通のことでも書かせてもらえるなら書きたい」と旺盛な意欲ものぞかせた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス