藤竜也 淀川長治さんに感謝の言葉

 第24回日本映画批評家大賞の授賞式が28日、都内で開催され、淀川長治賞(ダイヤモンド大賞)を受賞した俳優の藤竜也(73)が故淀川長治さんの思い出を語った。

 藤によれば、俳優になった時、母の友人が映画関係者で淀川さんを知っており、紹介された。淀川さんは「君はひと月にいっぺん私の家に来て、私の講義を受けなさい」と指示。横浜・鶴見の淀川宅で毎回2時間、映画や文学、歌舞伎などの講義を受けたという。

 藤は「話が全然分からなかった」といい、6カ月ほどで間遠になってしまったが、16年ほど経過して、故大島渚監督のパーティーで再会。「不義理をしたろくでもない俳優」(藤)の顔を見上げて「頑張ったね」と肩をたたいてくれ、涙が出てきたという。

 藤は「先生ありがとう!」と、淀川さんに呼びかけていた。

 今年は主演映画「龍三と七人の子分たち」が動員100万人突破の大ヒット、主演する時代劇ドラマ「かぶき者 慶次」もNHKのゴールデンタイムで放送中と、73歳にしてますます盛んな藤。

 南俊子賞(新人男優賞)を受賞した、「-慶次」で共演する工藤阿須加(23)を「アンタ、(自分に)若さ吸い取られてんだ」と脅かしたり、「龍三-」の大ヒットに「そろそろボーナス出るんじゃないですか」と喜んだりと、舌も滑らかだ。

 藤は「一本やって、次の仕事来るかなと思って、また一本やって、気がついたら半世紀が過ぎてしまった。子供が日がな一日遊んで、お母さんに『もう5時だよ』と言われて『もうそんな時間だったのか』-この半世紀の時間の感覚はそんなもんですよ」と振り返った。

 その上で「映画は子供の遊びと違って仕事なんでしょうけど、僕にとっては遊びのような気がする。だから飽きない。一本一本遠いところへ旅に出るような感じで、また旅に出たくなる。こういうのが役者の業と言うのでしょうか」と、藤流の役者論を語った。

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