本木雅弘 樹木の後押しで昭和天皇役
俳優の本木雅弘(49)が20日、都内で行われた映画「日本のいちばん長い日」(8月8日公開)の完成報告会見に出席し、同作で昭和天皇役を演じる決断を、義母で女優の樹木希林(72)に後押しされたと明かした。
終戦直前の24時間を描き、1967年には三船敏郎さん主演で映画化された半藤一利氏の同名ノンフィクションが原作。今作では、半藤氏が鈴木貫太郎首相を描いた「聖断」の要素も盛り込み、終戦前夜を軸にした、内閣発足からの4カ月間が描かれる。
67年版では松本幸四郎さんが昭和天皇を演じたが、ロングショットや背中越しのカメラワークなどで顔が映し出されることはなかった。昨冬の撮影を振り返り、本木は「畏れ多さと、こんな未熟な自分が背負えるのかと思っているうちに撮影が終わりました。昭和天皇に強い印象を持っている方々がたくさんいると思いますので、いろいろお叱りをいただくと思うと唇が震えてしまいます」と偽らざる心境を口にした。
実は昭和天皇役で別の俳優がオファーを受けていたが、スケジュールの都合が付かず、本木に回ってきたという。受けるか否か悩んでいた本木が決断したのは樹木の言葉がきっかけだった。
本木は「オファーが来たとき、逃げ出したい気持ちと逃したくない気持ちで揺れた。躊躇していたときに樹木さんから『私なりにあなたに、この役がきた意味がわかる気がする。原田監督は力のある方だし、昭和天皇をやる機会はなかなかないから受けるべきなんじゃないかな』と背中を押されて受けることにした」と明かした。
「突入せよ!あさま山荘事件」「クライマーズ・ハイ」など重厚な社会派作品で知られる原田眞人監督(65)は「前作では昭和天皇を描けなかった。僕の中では“本木天皇”でやってもらいたかったので、理想の天皇陛下になったと思います。申し分ない」と絶賛。
玉音放送を全文読めるように練習するなど全力で取り組んだ本木は「別の方のスケジュールが合わず、私に矢が向いたアクシデント。それを受け入れて、得をしたと思っています」と真剣な表情で語った。
