菅原文太さん死去 太宰府天満宮で葬儀

 映画「仁義なき戦い」「トラック野郎」などのシリーズで人気を博した俳優の菅原文太さんが11月28日に転移性肝がんによる肝不全のため東京都内の病院で亡くなっていたことが1日、分かった。81歳だった。宮城県仙台市出身。菅原さんは最近は福岡県福岡市内に住み、11月30日に県内の太宰府天満宮祖霊殿で家族葬が執り行われた。11年に発生した東日本大震災に心を痛め、12年に俳優から事実上の引退を宣言。近年は、夫人の文子さんとともに山梨県内で農業を営み、社会活動にも取り組んできた。10年5月には膀胱がんを患って治療を受けたことを公表した。

 11月10日に亡くなった高倉健さんに続き、またも銀幕の大スターが旅立った。12月7日には埼玉県内で講演予定だったが、体調不良による中止が11月21日に発表されていた。

 菅原さんは俳優人生に自ら幕を下ろした。仙台出身とあって東日本大震災に心を痛め、12年に「今の時代に劇映画はどうかなと思う」と俳優活動を控える意向を示した。時期を同じくして社会的活動や発言も目立ち始めた。

 09年から山梨県で農業に参入し、農業生産法人「竜土自然農園 おひさまの里」を設立して有機農業を推進。12年には国民運動グループ「いのちの党」を結成。原発や特定秘密保護法案に反対する活動にも取り組んだ。

 菅原さんは早大中退後、劇団四季やファッションモデルを経て映画界入り。73年にスタートした「仁義なき戦い」シリーズで主人公の広島やくざ・広能昌三を圧倒的な存在感で演じ、実録路線の看板となった。75年からの「トラック野郎」シリーズも大ヒット。アニメ映画「千と千尋の神隠し」では初めて声優を務めた。

 実生活では74歳のときに膀胱がんを患い、温存療法などによる治療で全快していたことを10年に公表した。

 昭和を彩った日本を代表する映画スターの1人。高倉さんに続く巨星の訃報に悲しみが広がった。

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