呉監督 受賞も英語で気づかず

 俳優・綾野剛(32)主演映画「そこのみにて光輝く」で第38回モントリオール世界映画祭の最優秀監督賞を受賞した呉美保(オ・ミポ)監督(37)が3日、都内で、がい旋会見を行った。

 午後3時ごろに帰国した呉監督は「携帯の電源をつけたらめちゃめちゃ着信とメールがあった。受賞させてもらったことをあらためて実感した」と喜びを語った。

 受賞した瞬間は英題「The Light Shines Only There」で読まれたため気づかず、「あっ」と叫んだヒロイン・池脇千鶴(32)の声で気づいたことも明かし、「しゃべるスピードが速くて聞き取れなくて、聞き逃しました」と照れ笑いで告白した。

 トロフィーは原作者で90年に自殺した佐藤泰志さんの展示コーナーがある函館市文学館に展示を希望。今後は、「とっちらかった作品をやってみたい」といい、「反応を見られるのはうれしいので、各国で感じてみたい」と、これからも海外映画祭に参加することを希望していた。

 呉監督は三重県出身。大阪芸大映像学科卒業後、大林宣彦事務所PSCに入社。スクリプターとして映画制作に参加しながら監督した短編「め」が2002年、「ショート・ショート・フィルムフェスティバル」に入選。03年、PSCを退社。フリーのスクリプターをしながら書いた初の長編脚本「酒井家のしあわせ」で長編映画監督デビューした。ほかに、脚本と監督を務めた「オカンの嫁入り」(10年)などがある。

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