朝ドラヒロインに無名の米国人女優

 今秋スタートのNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」の史上初の外国人ヒロインに、米国人女優シャーロット・ケイト・フォックス(28)が決まり、4日、大阪市の同局で発表された。フォックスは生粋の米国人で、日本語が全く話せないため、今後は東京で専門チームの語学特訓を受けることになる。なお、夫役は玉山鉄二(33)が務める。

 NHKが史上初の外国人の朝ドラヒロインを募集した同作。国籍などは問わず、日本で活躍するハーフ女優などの起用も予想されたが、1月のオーデョション時が人生初来日だったという、日本と縁もゆかりもない若手女優だった。

 「オハヨウゴザイマス」「ドウゾヨロシク」と片言の日本語であいさつしたが、その後は通訳付きでの応答となった。

 フォックスは米国のオーデョション雑誌のWEBサイトでNHKの募集を見て応募。「クレイジーかもしれないけど、役者としての夢をかなえるため日本に来ました。アドベンチャー(冒険)です」と笑顔で語った。

 米ニューメキシコ州生まれで「砂漠のような州で、父母がヒッピー世代で、テレビもない生活の中で芝居を覚えました」。米ノーザンイリノイ大学で演劇専攻の修士課程を修了し、女優歴は約10年。舞台を中心に活動し、独立系映画や米ドラマに出演経験があるという。

 現在は米ノースカロライナ州在住で「人生の大切な人はいます」と告白。NHKによると結婚している。日本の朝ドラはネットで12年後期「純と愛」を見たことがあるという。

 フォックスの人となりに質問が集中した会見で、相手役の玉山は「玉山です。妻はいます。子供がいる京都府出身です」と笑いをとり、3日に初めて会ったフォックスが「会議室に入ってくるなりハグしてくれました」と明かした。

 同ドラマの櫻井賢チーフプロデューサーは、フォックスの過去出演作に、日本でなじみのある作品はなかったが、日本語演技が課題となったオーディションでは「セリフを暗記するのでなく、日本語の意味を理解したうえで、ズバ抜けた演技をしていた」と起用の決め手を説明した。

 フォックスは2日から東京での生活を開始しており、今後、日本語習得に向けて特別体制をとる。

 ◆「マッサン」

 大正時代を舞台に、造り酒屋の跡取り息子マッサンこと亀山政春(玉山)がスコットランドに単身渡り、2年の修行を終え、現地で駆け落ち同然で結婚したスコットランド人女性・エリー(フォックス)と帰国。国産初のウイスキー作りを夢見て、2人で波乱の日々を乗り越えてゆく。

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