寺島しのぶ サッカー本田の言葉に共鳴「批判した人にも感謝」

 跡取りとなる長男が誕生した尾上菊之助。姉で女優の寺島しのぶは、2007年2月にフランス人のアートディレクター、ローラン・グナシア氏と結婚。12年9月に第1子となる長男、眞秀(MAHOLO)君が誕生した。歌舞伎の名門に生まれ、跡取りではない“劣等感”とも闘いながら、女優としての高い評価を得るまでになった。反骨心で道を切り開いた寺島は、サッカー・本田圭佑選手の言葉、姿勢に深く共鳴していた。

 【以下、2010年8月14日付の本紙より】

 女優・寺島しのぶ(37)が今年2月に独ベルリン国際映画祭で銀熊賞(主演女優賞)を受賞した映画「キャタピラー」がきょう14日、全国公開される。数々の壁に対峙(たいじ)しながら反骨心で道を切りひらき、世界的な名声を得た女優は、サッカーW杯南アフリカ大会で自らと同じように世界を驚かせた日本代表の本田圭佑選手(24)の言葉に、深く共鳴していた。

▼ストイックな姿勢もシンクロ

 「自分の演技に不満」 今夏、「キャタピラー」の全国キャンペーンを巡りながら、寺島が夢中になったのがサッカーW杯だった。特に共感したのが本田選手。中でもパラグアイ戦で敗れた後の「応援してくれた人だけでなく、批判してくれた人にも感謝したい」という言葉にしびれた。

 「本当にその通りだよね。映画もいい批評も悪い批評も受け入れることが大事。そこから“この野郎~”と思って自分の力にできるか。でも私が批判を受け入れられるようになったのは30過ぎ。24歳で言える本田選手はすごい」

 寺島も、本田の活躍以上ともいえる勲章を今年手にした。ベルリン国際映画祭での銀熊賞だ。 「今のところ、人生で一番のヤマ場」と喜ぶ半面「やっと寺島家の家族の一員になれたかな。ずっと“親の力を借りないでも私は立ってるよ”と言いたかった」と正直な心境を吐露した。

▼一家のおちこぼれ

 父は歌舞伎役者の尾上菊五郎、母は女優・富司純子。偉大な両親の下、幼少のころから女優を目指したが、順風満帆とはいかず「家族の落ちこぼれ」だった。転機が訪れたのが30歳で主演した映画「赤目四十八瀧心中未遂」。ヌードになり母からは「勘当する」と大反対を受けたが、同年の映画賞を総なめ。一気にブレークした。

 「小さいときから親のことばかりいわれて悔しかった。やっと世間に寺島しのぶという女優を認めてもらった」

 以降は「愛の流刑地」など話題作に次々出演。脂が乗りきっているように思えるが、あくまでストイック。その姿勢も本田とシンクロする。

 「まだまだ全然。うまくいってると思った時点で女優は終わる。今作も自分の演技に不満ばかり目についてまともに見られない」

▼いつか世界へ

 ベルリン制覇で、寺島も本田同様に世界進出も夢ではなくなった。だが本人は冷静そのもの。 「私は舞台から一歩一歩やってきた。あくまで基盤は日本。日本の映画を世界に紹介していきたい。いつか世界にも挑戦したいけどそんなに甘くないし、中途半端な役はやりたくはない」

 そう語る目は自信に満ちていた。世界基準の女優へのゲームはキックオフしたばかりだ。

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