宮崎駿監督引退会見 11の国と地域から
今月1日に、現在公開中の最新作「風立ちぬ」を最後に引退の意向を表明した宮崎駿監督(72)が6日、都内で会見を開いた。
無数のフラッシュを受け着席した宮崎監督は「僕は何度も『辞める』といって騒ぎを起こしてきた人間ですので、『どうせまただろう』と思われていると思いますが…今回は…あの…本気です」と正式に引退を表明した。会見場に集まった報道陣から大きな笑いが起き、自身も思わず照れ笑いを浮かべ、左手で頭をかいた。
正式に引退を決めたタイミングについて宮崎監督は「よく覚えてない」としつつ、鈴木敏夫プロデューサーに「鈴木さん、『ぼくはもうダメだ』と言った」ことを明かした。そのとき、鈴木氏は「そうか」と短く答えたという。宮崎監督は続けて「鈴木さんが本気にしたのかどうかは分かりませんが、『スタジオジブリ』がこんなに長く続くと思ってなかったことは確かです」と語った。
同席した鈴木プロデューサーは「今回は本気だと感じた」と長年連れ添った盟友の思いを感じ取っていたことを明かした。
会見場には600人の報道陣が殺到。ムービーカメラの数は70台にのぼり、日本のみならずアジア、ヨーロッパなど11の国と地域からもメディアが駆けつけ、流ちょうな日本語で引退を決めた理由などを質問した。
質問に立った台湾のメディアは「台湾人は日本に来たら『ジブリ美術館』ははずせないんです。引退後は海外に訪れてファンと交流する予定は?」と聞くと、宮崎監督は「ジブリ美術館についてはわたしはかかわらせてもらいたいと思っています。自分自身も展示品になっちゃうかもしれませんので」と冗談を交えると会見場から笑いが起こり、「ぜひ、美術館に来て下さい」などと話した。
