俳優・渡哲也が11日にテレビ朝日系で放送された「追悼・地井武男さん…「想い出をありがとう今夜、最後のお別れ』」に出演し、地井さんから「俺、ダメかもしれない」と打ち明けられていたことを明かした。

　渡は、地井さんの親戚である元巨人の投手・城之内邦雄さんの夫人と「うちの家内が同級生」ということで正月の新年会に招待され、そこで地井さんと知り合い、約40年にわたり友情をはぐくんできた。

　「気丈な男だった」（渡）という地井さんが、初めて弱気な言葉を吐いたのは入院中の今年２月。地井さんから電話が入り、最初こそ普通の会話をしていたが、「急に声が出なくなって、涙声で『渡さん、俺もしかしたら、ダメかもしれない』って言われた。『俺そんなに強くないんだよ』…って…あんまり話したくはないですね、このことは…」と言葉を詰まらせ、涙を浮かべた。

　最後に会ったのは病院の駐車場。地井さんは散歩の途中だった。「『ちい散歩』みたいでね。バッグしょって帽子かぶって。ただ違うのはマスクしてて…」と振り返った。地井さんは「退院したらまた電話します」と話したという。「それが最後になってしまったんですけどね。言葉もないですね。こういう日が来るならもうちょっと強引に誘って、駐車場でもカフェテラスででも、話をしておけば…」と悔やんでいた。